戦場から「壊れて」帰還する米の若者 自殺者も増加 (1/2) 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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戦場から「壊れて」帰還する米の若者 自殺者も増加

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オスカー・ロドリゲス(31)2009~11年、陸軍除隊後、再び体重が増えたが、再度入隊する際に減量するのはいとわない。陸軍で得た最大の教訓は、「人生をフルに生きるべきだ」ということ。従軍でも学位を取ることでも、夢に向かって努力すること。しかし、非軍人の生活では、それらを見失いがちだ(撮影/津山恵子)

オスカー・ロドリゲス(31)
2009~11年、陸軍
除隊後、再び体重が増えたが、再度入隊する際に減量するのはいとわない。陸軍で得た最大の教訓は、「人生をフルに生きるべきだ」ということ。従軍でも学位を取ることでも、夢に向かって努力すること。しかし、非軍人の生活では、それらを見失いがちだ(撮影/津山恵子)

 人口3億人超に対し137万人という膨大な人数の軍隊を抱える米国。志願制が建前だが、中間・低所得層を狙い撃ちにするリクルート活動に支えられている。

 元陸軍兵オスカー・ロドリゲス(31)はニューヨーク市クイーンズ区のヒスパニック系移民や中間・貧困層が集中する界隈で生まれ育った。

「知ってる? この国では、高校2、3年の子どもがいる家に、軍隊からリクルート(新兵募集)の電話がかかってくるんだ」

 何度もかかってきたが、当時は興味がなかった。卒業して目的もなく近所で職を転々とし、ジョン・F・ケネディ国際空港の売店で働いていた時、電話をかけてきたリクルーターの言葉を思い出した。

「兵士になれば、海外も国内も、いろんなところに行って、違う世界を見ることができますよ」

 リクルートセンターに行くと、「体重を減らせ」と言われた。喜んで当時100キロ超あった体重を半年で77キロまで減らした。減量していることをリクルーターにアピールするため、センターの中のジムを使った。陸軍は、新しいことだらけだった。

「ニューヨークの駐屯地で、身体検査があった。前泊のホテルをとってくれて、食事もタダ。訓練では魚釣りも教わった。キャンプの仕方や射撃も覚えたし、止血や傷の洗浄など応急処置も覚えた。陸軍上等兵になれたんだ」

 軍装備のメンテナンス担当として、1年後の2010年、イラクへ。その話になると、突然、ロドリゲスの表情がこわばり、言葉がとぎれた。入隊までの話は、まるで日記を読むように細かい描写だったのに、呆然とこう言った。


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