感染しても発症しないケースが多いので、代々木公園で感染した人が気づかずに地元に帰り、そこで蚊に刺されて感染が広がることも考えられる。実際、東京・新宿中央公園でも感染者が確認された。第2、第3の「代々木公園」が現れる可能性は、十分にある。
東京医科大学病院感染制御部部長の水野泰孝医師によれば、デング熱を発症すると、感染から3~7日の潜伏期間後に、突然40度くらいの高熱を出し、頭や目の奥、体の節々が激しく痛む。インフルエンザに症状が似ているといわれるが、咳や鼻水といった症状がみられない。
発熱は一般に5~6日間続く。また、熱の下がり始めに発疹が出る場合があるのだが、これには注意が必要だ。
「重症型の『デング出血熱』の可能性があり、その場合、鼻血や下血、ショック症状がみられる。感染した人の健康状態や免疫にもよるのですが、デングウイルスに感染した人の1~5%が重症になると報告されています」(水野さん)
突発性発疹との混同に注意
どんな場合が重症化に至るのか。最も有力な説明が、2度目に感染した場合だ。水野さんが、こう続ける。
「デングウイルスには四つのタイプがあるのですが、1回目と2回目で違うタイプに感染すると、重症化すると言います。ただし、最初の感染で重症化する場合も、再感染でも軽症の場合もあります」
0歳児の場合は、さらに注意が必要だ。デング熱と同じように、解熱後に発疹が現れる経過をたどる「突発性発疹」という病気が広く知られているからだ。