受験テクニックだけでなく、勉強の楽しさも教えてくれるような講師に出会えれば、その後の人生も変わるかもしれない(撮影/写真部・外山俊樹)
受験テクニックだけでなく、勉強の楽しさも教えてくれるような講師に出会えれば、その後の人生も変わるかもしれない(撮影/写真部・外山俊樹)

 来季の大学入試に向けて予備校を選ぶ季節がやってきた。予備校選びのポイントはどこにあるのだろうか。

「浪人して予備校に通い、生まれて初めて授業が楽しいと思いました」

 と語るのは、代々木ゼミナール(代ゼミ)で生物を教える大堀求講師だ。現役時代、やみくもに努力したものの、それがいかに無力だったかを痛感。「わかりやすくて楽しい授業をしたい」と、予備校の講師になった。今では、人気・実力ともにトップクラスのスーパー講師だ。

 受験生活のパートナーである予備校選びは、どんな講師がいるのかが大きな決め手だ。自分にぴったりの講師を探すにはどうすればいいのだろうか。

「合格体験談で複数の受験生が勧める、予備校の人気講師は信用してもいいと思う」

 と語るのは、塾や予備校事情に詳しい教育ジャーナリストの小林哲夫氏。

「人気がある先生は、競争社会で生き残り、生徒たちに選ばれた先生です。実力がある先生に勉強のやり方などを習うと、効率的な勉強ができます」

 高校の先生は自分の意思で選べないが、予備校の講師は基本的に自分で選べる。選ぶときの注意として、小林氏はこう語る。

「特に、数学や物理などの理系科目は、たとえば東大理IIIの合格者に絶賛されていたとしても、そのレベルじゃない受験生には難しい場合もある。だから、自分の学力レベルに合っているかどうかを見極めることが大切です。人間同士ですから、好みや相性もあるため、『この先生の授業を受講したい』と強く思えることが大切です」

AERA  2014年4月14日号より抜粋