「PTAは全児童のために活動するボランティア団体のはずなのに、親が非会員であるという理由で子どもを差別するのはおかしい。私の周りはPTAが任意加入であることを知らない人ばかりで、誰も助けてくれません。私一人でも任意加入の周知活動をしていこうと思います」

 一方、新年度にPTA役員を務める東京都の会社員女性(40代)は、PTAの意義を訴える。

「任意加入で参加率が低くなってしまったら、果たして意味があるのでしょうか。PTAがなくなってもいいのでしょうか」

 女性は無記名の指名によって役員の候補に選ばれ、「半ば強制的」に役員決めの会議に呼ばれた。子どもの学年が異なる保護者約30人がグループに分かれ、お茶とお菓子が配られた。子育てや学校の話題で盛り上がり、役員選出の場であることを忘れていると、誰からともなく「今年やろうかな」「それなら私も」と声が上がった。

「悪名高きPTAの噂を聞くたび、働いているから無理、と恐れていたのに、こんなにアットホームだったとは。せっかくの機会だから仕事もPTAも楽しみたい!と思い立ちました」

AERA 2014年4月7日号より抜粋