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晴れて合格もうつになる学生増加 大学側も対策

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 今、うつ病を患う大学生が増えているという。そしてそれにあわせて、大学も対策を講じているようだ。

 昼過ぎになると、和歌山大学(和歌山市)のキャンパス・デイケア室に、居場所を求める学生が三々五々集まってくる。本を読んだり、遅めのランチを食べたり、ゲームに興じたりと、それぞれくつろいで過ごしている。同室に常駐し、メンタルサポーターとして働くS君も、学生時代は足しげく通っていた。

「もともと人が多い場所は好きじゃなかったんです。大学に入学しても、誰に何を話しかければいいのかわからない。居場所を見つけられなくて、大学になじめず早々にいやになりました」(S君)

 入学後すぐに不登校に陥ったS君は休学届けを出して故郷に帰ったものの、高校の同級生に会うのが恥ずかしくて避けていたという。そのS君が2カ月のブランクを経て大学に戻れたのは、「アミーゴの会」の存在だった。

 同会は当時、保健管理センター所長を務めていた宮西照夫教授が作った自助グループ。誰でも集える部屋が用意され、2009年からはメンタルサポーターとしてOBが3人待機し、履修登録やゼミ選びなど学生生活に関するものから、人間関係などの相談にものっている。S君の場合、心配した母親が大学に相談し、宮西教授がS君に来学するように働きかけた。

「授業がない時間はここに来て、カウンセリングを受けたり、本を読んで過ごしたりしました。そのうちみんなでドッジボールやカードゲームをやるようになり、コミュニケーションがとれるようになってきました」(S君)

 今ではサポーターとして、かつての自分のように居場所を見つけられずにいる学生の悩みに、耳を傾けている。

 宮西教授の後を継ぎ、保健管理センターでメンタルケアを担当している精神科医の山本朗准教授は、次のように話している。

「年間、約4千人の学生の2%、約80人の大学生がメンタルケアを受けています。新学期の初めや、ゼミの配属、就職の時期に来室する学生が増えます」

 同大では、山本准教授を中心に看護師、保健師が常勤。さらに日替わりで精神保健福祉士と臨床心理士が加わり学生のメンタルケアに当たっている。

AERA 2013年6月3日号


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