英王室のウィリアム王子(30)の妻キャサリン妃(31)が妊娠を発表してから4カ月あまり。ロンドンの土産店にはロイヤルベビー関連のグッズが並び、報道も関連業界も過熱気味だ。

 そのマタニティーファッションは注目され、妊娠中に休暇を王子とカリブ島で過ごした際には、ハネムーンならぬ「ベビームーン」と呼ばれて人気を集めた。

 だが、思わぬバッシングも。イギリスで著名な文学賞、ブッカー賞を受賞し、王室関連の著書が多い作家のヒラリー・マンテル氏( 60 )は、2月4日、大英博物館での講演でキャサリン妃を痛烈に批判した。ヘンリー8世の妃アン・ブーリンのような才覚もなければ、世間知らずの少女から強い大人の女性に変身を遂げたダイアナ妃のような成長も見られない。「プラスチック・スマイルをたたえたショーウインドーのマネキン」「継承者を産むだけが仕事」「着ているもので定義づけられる」「サンキューとプリーズしか知らない」「人間味に欠けていてロボットみたい」と散々だ。

 さっそくキャメロン首相が「すばらしい作家だが、このコメントは的はずれである。妃は英国を代表する優れた大使だ」と火消しに回る一幕も。

 さらに、妃が3月5日、公務で北東部のグリムズビーを訪れた時も騒動が起きた。沿道の人からテディベアをプレゼントされ、妃が「ありがとうございます。これは私たちのd…のためですか」とうっかり口をすべらせた、すなわち赤ちゃんはdaughter(娘)で、「ロイヤルベビーは女の子」というニュースが世界中を駆け巡った。

 これには後日談がある。その場にいた「王室ファン」の女性が携帯電話で記録した音声と映像を地元新聞社に持ち込み、妃は「d」とは言わなかったと判明したという。「妃から勲章をもらってもいいかも」と、女性はジョークを飛ばしている。

AERA 2013年4月15日号