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男子の新体操「日本人らしさ」を世界的スカウトが評価

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 スクリーンに映し出されるマイケル・ジャクソンと、そのヒットナンバーの数々。彼が亡くなってもうすぐ4年。彼のスピリットは、ダンサーやサーカスパフォーマー総勢38人によって、今また生きたものになった。

 ここに男子新体操の元選手たちが出演している。スポーツで有名な青森山田高校出身の外崎成仁(24)が信じられない高さで空中回転したかと思えば、5人全員で「鹿倒立」という倒立をピタリと決め、スピード感あふれる演技で観客を圧倒した。

 一昨年秋から欧米、ロシアを回り、5月9日に日本に上陸する「マイケル・ジャクソン ザ・イモータル ワールドツアー」。制作は、サーカス会社のシルク・ドゥ・ソレイユだ。日本の男子新体操からは現在6人が採用され、連日舞台に5人ずつ出演する。うち3人が青森山田から青森大学に進んだ高橋雄太(26)鈴木大輔(24)、外崎だ。

 男子新体操とは、日本で生まれた競技。団体演技は4~6人が連続バック転など複雑なアクロバット演技を組み合わせた床運動。競技人口はわずか1300人余り。2008年には国体競技からもはずされてしまった。

 さらに、アスリートの多くが直面する現実。メダルをどれほど多くもらっても、引退後の道は険しく、指導者の口もわずか。マイナースポーツならなおさらだ。そこで青森山田高校の男子新体操部監督、荒川栄は、こんな夢を描いた。「このスキル、エンターテインメントの世界でも通用するはずだ。卒業生の将来のために、次の道をつくっていきたい」

 永続的な人材育成が必要と考え、青森大学の男子新体操部の監督を、先輩の中田吉光に依頼した。そして高校の競技大会では、当時男子新体操にはあまりなかったダンスの動きを専門家から取り入れ、評価を高めた。

これとリンクする形で、5年前から男子新体操に目をつけていたのが、シルク・ドゥ・ソレイユだ。同社のスカウトは世界の競技大会に出向き、引退後の進路として関係者に声をかける。10年夏、青森大学、国士舘大学、花園大学の男子新体操部監督に連絡し、選抜した。

 男子新体操をショーに採用したアクロバット・デザイナーのジェルマン・ギューモーは、「彼らの美しい演技が、ショーをよりいいものにしてくれた」と語り、他のベテラン出演者も、「まねできない演技。日本人独自のシンクロ性はすばらしい」と高く評価する。

AERA 2013年4月15日号


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