うつ、自殺に至るケースも 恐ろしい「スマホ症候群」

AERA#スマホ#肩こり
下を向いて画面に見入る典型的な「スマホ姿勢」。首や肩の筋肉に大きな負担がかかり、自律神経失調やうつ症状を引き起こすことも(撮影/写真部・関口達朗)
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下を向いて画面に見入る典型的な「スマ...

 もはや生活必需品ともいえる存在になった、スマホことスマートフォン。しかし、使いすぎによる肩こりや疲れ目などの「スマホ症候群」とも呼ばれる症状が増えているという。

 下向き姿勢が、体の痛みだけでなく、様々な体調不良の原因になると指摘する専門家もいる。

「最近、スマホやパソコン、ゲームによる首こりが非常に増えています。首の使いすぎは、ドライアイや多汗症、パニック障害、慢性疲労症候群など、様々な疾患を引き起こします」

 そう指摘するのは、東京脳神経センター(東京都港区)理事長の松井孝嘉医師。その理由をこう説明する。

 首は重要な神経や血管などが通り、脳と体をつなぐ命の要所。一方、頭の重さは約6キロ。男性用のボウリングの球ぐらいの重さだ。下向きの姿勢は、まっすぐな状態と比べて首にかかる負担が約3倍。下向きのままで首の筋肉を酷使すると、首の後ろの筋肉が疲労し、酷使し続けると筋肉が硬くなる。

 すると、首を通っている自律神経の働きが阻害され、頭痛やめまいなど様々な症状が出る。その状態が長く続くと、うつ症状やパニック障害、慢性疲労症候群などの症状も出てくるという。

 九州地方のマスコミに勤務する女性(44)は、2011年夏、首が痛くて動けなくなった。吐き気もあったため、総合病院へ行き、MRIも撮った。だが、異常はなかったという。

 女性は、10年前にも首が痛くなり、「椎間板症」と診断されたことがあった。ノートパソコンを持ち歩き、携帯電話を首と左肩に挟んで話しながらメモを取る。首や肩の痛みは「職業病」だと、あきらめていた。

 だが、2度目は吐き気や気分の落ち込みもひどく、不眠にも悩まされた。心療内科に行くと医者に「抑うつ状態」と言われ、薬を処方された。結局9カ月間休職。復職後は別の部署に異動させてもらった。

 現在も整形外科と心療内科に通っているが、よくならない。

 松井医師は、

「こういう人が爆発的に増えている。自律神経失調の症状は、眼科や耳鼻科、循環器科、消化器科などに関係する様々な症状が一人に起きます。どこの科に行っても治らないと悩み、そのうちうつ症状が出て、自殺に至るケースが目立つ」

 と言う。

AERA 2013年2月4日号

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