経済産業省と東京証券取引所グループは来年2月をめどに、女性活用に力を入れている10~20社を選び、「なでしこ銘柄」として公表する予定だ。そこでアエラも、独自の基準でなでしこ銘柄を選定した。

 2010年前後から12年にかけて女性の活用に力を入れているとしてアエラに登場した企業をピックアップ。その中から、配当利回り、株主資本を使ってどれだけ利益をあげたかを見る指標である株主資本利益率(ROE、高いほど経営の効率がよい)、株価が割安かどうかを見る指標の株価収益率(PER、低いほど株価が割安)などを勘案したうえで、直近10年間で、(1)株価が上昇傾向にある「成長なでしこ」、(2)株価が横ばい・持ち直してきている「安定なでしこ」、(3)株価の状況は芳しくないが、今後の成長が望める「割安なでしこ」の3タイプに分類した。

 ユニ・チャーム、KDDI、ブリヂストン、アサヒグループホールディングスは(1)(2)の企業だ。そのほか、(1)では配当利回りの高いローソン、ROEの高い楽天やファーストリテイリングも管理職登用が進む。(2)ではエーザイ、本田技研工業が配当利回りが高く、キャリア研修に力を入れている。

 (3)として、ストックボイスの岩本秀雄さんが注目するのは三井住友フィナンシャルグループ、日立製作所、東日本旅客鉄道。

「三井住友は、銀行株の中でも株価の動きが素直。よいニュースで値上がりし、悪いことがあると下げやすい。日本の銀行株が見直される流れで、一番注目されそう。日立は、鉄道などの儲かる事業を強化し、火力発電のように儲けの少ない事業は縮小するなど、事業再編が順調に進んでいる。家電も赤字が縮小している。そこがパナソニックやソニーと違います。東日本旅客鉄道は『エキナカ』戦略が好調。不動産事業の収益向上が見込めます」

AERA 2012年12月17日号