草間彌生 バッシング受けて以来、精神科病院が「家」に 〈AERA〉|AERA dot. (アエラドット)

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草間彌生 バッシング受けて以来、精神科病院が「家」に

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 現代美術家の草間彌生への注目がここ数年、さらに高まっている。

 昨年から大規模な回顧展が世界を巡回しているのをはじめ、今年は現代美術の殿堂、ロンドンのテート・モダンでアジア人作家として初の展覧会を実現。2008年にはオークションで約579万ドルの高値を付けるなど、美術界での評価も上がりに上がり、世界のディーラーたちはその初期作品を血眼で探し回っているという。

 そんな売れっ子アーティストの4年間の日々を映したのが、NHKスペシャル「“水玉の女王”草間彌生の全力疾走」だ。90年代から草間さんに密着し、08年のドキュメンタリー映画「≒草間彌生 わたし大好き」の監督も務めた松本貴子さんがディレクターを担当した。

 ニューヨーク五番街のルイ・ヴィトンの店で行われたオープニングイベントに、おなじみの真っ赤なボブヘアで登場する“勇姿”。華やかな表舞台とは対照的に、エプロン姿で車椅子から立ち上がり、一心不乱に水玉をキャンバスに描いていく制作風景。そんな知られざる草間さんの横顔を満載した。

 なかでも貴重な場面は、草間さんが「家」と呼ぶ都内の精神科病院の一室だ。そこに今回初めてカメラが入った。

 草間さんがこの病院で暮らすようになったのは、ニューヨークから戻った直後の70
年代。アメリカではブームを引き起こした「ハプニング」と呼ばれる過激なパフォーマンスが、日本では受け入れられずバッシングの標的になった。傷ついた彼女は、精神のバランスを崩し、以来ここが家となった。

 番組では、草間さんが歩んできた道を貴重な映像とともに紹介。いつも何かと戦いながら、水玉に覆われた無数の作品を生み出していった草間彌生という作家の人生が彼女のほとばしるエネルギーとともに迫ってくる。

 松本さんはこう話す。

「私にも、彼女はこういう人という全貌がまだ見えない。話を聞けば聞くほど、わからないことが増えてくる。追わずにはいられないですよ」

AERA 2012年10月1日号


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