- 一冊の本
- 記事
身の上相談にはふたつのタイプがある。ひとつは日本でいちばん老舗の身の上相談欄、読売新聞の「人生案内」。1914年から1世紀近く続いているこのコラムは、相談内容や回答者の人選、回答のしかたそのものが、世相の変遷を知るための研究資料となる。もうひとつは、かつて朝日新聞が1984年から95年まで11年間にわたって連載した故中島らもさんの「明るい悩み相談室」。関西のお笑い構成作家、中島らもというぶっとんだ奇人変人を回答者に起用して、かれのパフォーマンスを芸にして楽しもうという趣旨のものだった。オチのない話はオチつかない、という大阪カルチャーにぴったりのこの話芸は、朝日新聞大阪版から始まって、やがて全国版に登場するようになった。わたしが回答者のひとりを務めている朝日新聞土曜版の「悩みのるつぼ」は、その中間、というところだろうか。
あわせて読みたい
別の視点で考える
特集をすべて見る
この人と一緒に考える
コラムをすべて見る
カテゴリから探す
-
ニュース
-
教育
-
エンタメ
-
スポーツ
-
ヘルス
-
ビジネス