ある日、恋人がストーカーに…“被害者”である著者が綴る衝撃の実話 〈BOOKSTAND〉|AERA dot. (アエラドット)

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ある日、恋人がストーカーに…“被害者”である著者が綴る衝撃の実話

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 後を絶たないストーカー被害。2018年の相談件数は2万1556件、前年より1523件減少したとはいえ、2万件を超えたのは6年連続でした。数字だけではあまり実感がわかない人も多いかもしれませんが、自分の身に降りかかることもあり得るのです。
 本作『ストーカーとの七〇〇日戦争』は、著者の内澤旬子さん自身がストーカー被害に遭い、恐怖しながら理不尽さと戦ったノンフィクション。そのリアルさに読者は、ストーカー被害という身近でありながら遠い世界を追体験することになるでしょう。
 内澤さんといえば、イラストルポライターとして『世界屠畜紀行』など世界の辺境を旅して日本人の知らない世界を伝えるイメージが強い作家。本作でも、ストーカーという想像を絶する世界を私たちに教えてくれます。
 ストーカーに遭う発端となったのは、些細なことでした。きっかけは、8ヶ月交際した元恋人Aからの「家に遊びに行きたい」という申し出を断ったこと。16年4月初旬、Aは突如として内澤さんのストーカーに豹変したのです。
 内澤さんは14年に東京から小豆島に移住し、海が見える家でヤギのカヨと一緒に平穏な生活を送っていました。マッチングサイトで、セックスでも不倫でも結婚目的でもない、誠意ある交際相手を求めていました。知り合ったAはその理想とはかけ離れたものでした。
「お前はなんでも自分が正しいと思っている」が口癖で、内澤さんの言うことを聞き入れようとしないA。嫌気が差して別れようとしていた矢先、それを察したかたのように、生活に支障が出るほど、電話が鳴りやまない日々が。ついに別れ話を切り出すも、納得のいかないAは、「全部自分が悪かった。お前の言う通りに直すからやり直そう」と交際継続の姿勢を崩しませんでした。しばらく、一進一退の攻防が続くことになります。
 しびれを切らした内澤さんは、ついに「ストーカーに近い行為」「生活相談課に相談」などという言葉を投入します。しかし、このことがAを逆上させることになります。
 Aは「俺をストーカー呼ばわりしたことは許せない」として、知り合いのライターにこれまでの交際を曝露してやると宣言。鬱病になったのも、内澤さんから暗い愚痴ばかり聞かされたからであり、「損害賠償で訴えてやる」とも脅されます。被害はさらに悪化の一途をたどっていきます。
 メッセージは5分おきに届くようになり、「島に行ってめちゃくちゃにしてやる」と怒りを募らせるばかり。「怖がっていないように」と冷静に対処を重ねていくも、それが後に仇となることに。そしてついに、Aが島にやってきてしまい......。
 実際の被害者の視点から恐怖や不安、緊迫する雰囲気など臨場感あふれる描写に圧巻。ドキュメンタリーとしての読みごたえはさることながら、法整備の不十分さ、刑期の軽さなど様々な問題点を浮かび上がらせます。
 著者の事例からもわかるように、相手がふとしたことからストーカー化して、いつ被害に遭うかわかりません。本書はストーカー被害にあったらどこに相談にすればいいのか、警察はどこまで動いてくれるのかなども知ることできる解説書としても秀逸。すべての人に手に取ってほしい一冊といえそうです。


(記事提供:BOOK STAND)

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