子宮系スピリチュアル、布ナプキン信仰... 女性を脅す"呪い"(?)の正体を検証 〈BOOKSTAND〉|AERA dot. (アエラドット)

AERA dot.

子宮系スピリチュアル、布ナプキン信仰... 女性を脅す"呪い"(?)の正体を検証

このエントリーをはてなブックマークに追加
BOOKSTAND

「生理が重いのは使い捨てのナプキンで子宮を冷やしているから」「添加物を過剰摂取すると、将来生まれる子供のアトピーやアレルギーの原因になる」......こんな話、皆さんも一度は耳にしたことありませんか? 
 一見、女性の悩みにやさしく寄り添った体(てい)ではありますが、「女性はこういうケアをしないと大変なことになる!」という刷り込みは、女性をむしばむ「脅し」であり「呪い」にもなりえます。しかも「アドバイザー」「セラピスト」といった肩書で専門家風の人が言っていたりするとなおさら......。
 本書『呪われ女子に、なっていませんか?』は、子宮系スピリチュアルや布ナプキン信仰、冷え取り依存、デトックスにオーガニックといった産業の実態を、ときに面白おかしく、ときに真面目に検証した一冊。女性産婦人科医の宋美玄先生などへの取材対談も各章末にコラムとして挿入されており、医学的見地からもきちんと指摘や説明がされています。
 著者は長年女性向けの美容健康情報を取材し、そこに潜む「トンデモ」の存在を実感してきたという山田ノジルさん。たとえば第1章では、「女の幸せは、子宮を大切にすることから」という思想を持つ"子宮系女子"の実態を明かしています。
 「子宮を大切にする」とはどうにも曖昧な言葉ですが、これは定期的に婦人科検診を受けるなどではなく、「子宮に聞き取り調査をして本音に従って生きると、心身の不調が改善、引き寄せの法則的にご利益もガッポガポ、人付き合いも恋愛も仕事もすべてがうまくいき、幸せになれるというミラクルが起きる」ということなのだとか。
 
 さらに"子宮教"とでもいうべきこの思想のもとに、子宮委員長を名乗る女性による高額な講習会がおこなわれたり、「子宮の温度が上がる」との効果を暗にうたうジェムリンガ(膣に入れて使うヒーリンググッズ)が販売されたりも。「『子宮にいいこと(散財や奔放な性生活も含む)をしないと女性としての機能が危険にさらされる』『性的に潤うのが女の幸せ』なる呪いで女を縛る、脅し商法にしかなりません」と筆者は自身の考えを述べています。
 そもそも「私たちの子宮ってそんなに冷えてるのか!?」という疑問がわくわけですが、本書掲載のインタビューでは宋美玄先生は「子宮だけ冷えること自体があり得ません」「だいたい、ちょっとでも解剖学や生理学を勉強したら『血行が悪いから云々』なんて、アホらしくて言えないはずです」とキッパリ否定しています。
 この子宮ケアにはじまり、布ナプキン、オーガニック、冷えとり靴下など、本書で紹介されているコンテンツは、そこにくっつけて提唱される"効果効能"にとらわれなければ、本来どれも女性たちの選択肢を増やしてくれるもののはず。「ほどほどの距離感とゆとりで嗜好品的にたしなめば、そこに『呪い』は生まれません」との筆者の言葉どおり、私たちは正しい情報を冷静に見極めていく必要があるかと思います。その目を養うためにも、まずは本書を一読してみてはいかがでしょうか。


(記事提供:BOOK STAND)

トップにもどる BOOKSTAND 記事一覧


関連記事関連記事
このエントリーをはてなブックマークに追加
あわせて読みたい あわせて読みたい