一体なぜ五木さんが頭を洗わなくなったかと言えば、若い頃に海外を歩き回った経験によるもの。その当時、インドや東南アジア、モンゴルやチベット、ネパールには、髪を洗う習慣を持たない人が大勢いました。なかには生涯で「1度も洗ったことがない」人もいたそうです。しかし、マメにケアしていないにも関わらず、彼らの毛髪はたっぷりとしており、ハゲ頭の人はほとんどいなかったのです。



 自身の見聞に基づいて、五木さんは髪の洗いすぎは良くないことを確信し、洗髪する頻度は「一週間に一回でも多すぎるくらいです」と断言。皮膚には多数の常在菌が住んでいるのであり、行きすぎた清潔志向は病的であると述べています。



 これはまったく根拠がないことではなく、美容形成外科医の宇津木龍一さんも、洗いすぎないことが大切だと述べています。宇津木さんによれば、シャンプーで洗いすぎると、常在菌のバランスが崩れ、脂漏性皮膚炎の発症や薄毛になりかねないのだとか。「シャンプーしないなんて、頭皮の汚れが気になるのでは?」と思ってしまいますが、お湯でしっかり洗えば、シャンプーを使わなくても汚れの大半は落とせるとして、"脱・シャンプー"を提唱しています(角川書店刊『シャンプーをやめると、髪が増える 抜け毛、薄毛、パサつきは"洗いすぎ"が原因だった!』より)。



"脱・シャンプー"とは言っても、「絶対にシャンプーしない」と決める必要はなく、洗髪する日を1日おきにすることから始めて、次に2・3日おき、4・5日おきと徐々に間隔をあけて慣らしていくこと。あるいは、ウィークデーはシャンプーを使って洗い、会社に行かない土日はお湯だけで洗うなど、宇津木さんは自分にあったやり方で少しずつシャンプーの回数や使用量を減らしていく方法を勧めています。



 さすがに五木さんのように2ヶ月間も洗わないのはハードルが高いですが、「毎日洗っているのにフケやパサつきが気になる」という方は、まずは君島さんのようにシャンプーを1日おきにすることから試してみてはいかがでしょうか。