当時から、そういった日本の報道に疑問をぶつけているのが、書籍『日本の女性がグローバル社会で戦う方法』の著者・谷本真由美さんです。現在、ロンドンに住む谷本さんは、STAP細胞発見の初報をイギリスのニュース番組で知り、その後、日本での報道をネットで見ることになるのですが、その紹介のされ方の違いにびっくりしたそうです。



「BBCでは、テレビ放送でもウェブでも、まずこの発明が何であるか、なぜ画期的なのかが紹介され、イギリスの研究者の解説を盛り込み、医学などにどのように貢献するか、ということが明記されました。また小保方博士に関しては「Dr Haruko Obokata」と明記されているだけで、年齢や性別には触れていません(なお、イギリスでは博士号がある人のことはドクター何々と呼ぶのが当たり前です)。

 イギリスの他の主要新聞でも、この発見が何なのか、どのように貢献するのかに記事のスペースが割かれ、小保方博士の年齢、性別、服装、ラボの装飾に関しては一切書かれていません。倫理問題に触れた記事があるのも日本と違うところです」(『日本の女性がグローバル社会で戦う方法』より)



 件の会見でも、小保方さんの「泣くことを想定してマスカラを控えたメイク」や、清楚に見えるファッション、訴えかけるような声色など、見事なまでの「女子力」に注目が集まりました。もちろん、彼女が「そういう人」だという事実はあるでしょう。

 ただ、それを差し引いても、日本のマスコミはその部分に流されすぎているのではないでしょうか。



 とはいえ全てマスコミのせいにすることもできません。「マスコミは国民を移す鏡」とも言われ、読者が知りたい情報をマスコミは追いかけているのです。我々、視聴者、読者もそのことを改めて認識すべきかもしれません。