元中日ドラゴンズ監督・落合博満が語る"人生の恩人" 〈BOOKSTAND〉|AERA dot. (アエラドット)

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元中日ドラゴンズ監督・落合博満が語る"人生の恩人"

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 文筆家としての活動が目立つ前中日ドラゴンズ監督・落合博満さんが、大ベストセラー『采配』の次に書いた新刊は、なんと"映画の本"。スタジオジブリの月刊誌『熱風』にて2012年4月から2013年3月まで連載されていた『戦士の休息』が単行本となりました。



 落合さんといえば、1979年にロッテオリオンズに入団後、1989年の引退までに、三冠王を三度獲得するという偉業を成し遂げました。また、2004年に中日ドラゴンズ監督に就任し、チームをリーグ優勝4回、日本一1回に導きました。選手としても、監督としても、偉大な野球人。そんな落合さんを救ってきたのが"映画"でした。



 「映画との付き合いは野球よりも長い。幼少期に芝居小屋で観た東映のチャンバラに始まり、野球部の練習に出たくないからと授業もサボッていた高校時代は、映画館に入り浸っていたからこそ、警察の厄介になるなど道を外れずに済んだのだと思っている。プロ野球選手になってからも、何も考えたくない時はスクリーンの前に座っていることがあった。振り返れば、私にとって映画とは、情緒を育み、青春時代には苦難からの隠れ場所となり、その後も適度にリラックスさせてくれる"人生の恩人"のような存在だ」



 本書では、落合さんが過去に見てきた映画をテーマごとに語るほか、スタジオジブリ鈴木敏夫プロデューサーのオーダーで「アベンジャーズ」や「コクリコ坂から」などのヒット作を見させられる場面も。「アベンジャーズ」は"ヒーロー映画の定石"であるという落合さんの意見は、とても明快です。



 そんな映画好きの落合さんが選ぶ"ベスト10"とは?

1 「チキ・チキ・バン・バン」(1968)

2 「白い恋人たち」(1968)

3 「ゴッドファーザー」(1972)

4 「アラモ」(1960)

5 「黄色いリボン」(1949)

6 「ローマの休日」(1953)

7 「マイ・フェア・レディ」(1964)

8 「007シリーズ」

9 「黒部の太陽」(1968)

10          



 1位となった「チキ・チキ・バン・バン」は、007シリーズの原作者で知られるイアン・フレミング原作のファミリー向けミュージカル。空と水を自由に飛ぶことが出来る魔法の車が登場する同作を、ベスト10に挙げる映画好きは、非常に珍しいのではないでしょうか。また、ベスト10の10本目が空欄となっています。落合さんはその理由を以下のように言います。



 「映画界に限らず、音楽界などでも国民的な作品が生まれなくなったと言われている中で、これから映画人の皆さんが歴史に残る作品を世に出してくれることに大きな期待を寄せつつ、その作品のために席を空けておこうと思う。(略)10年ごとにプロ野球を代表した選手を揚げれば60年代は長嶋さん、70年代は王貞治さん、そして80年代は落合博満の時代だったと自負している部分もある。そうやって、文化やスポーツの世界は歴史を重ねていくものだろう。私は、10本目の作品が生まれることを楽しみに、映画鑑賞を続けていきたいと思っている」



 つまり、まだ見ぬ「トップ10映画」と出会うために、映画を観続けているのだというのです。落合流の"映画の楽しみ方"が分かると同時に、落合さんの野球観、ひいては人生観をも知ることが出来る一冊となっています。


(記事提供:BOOK STAND)

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