今季視聴率トップと盛り上がりをみせる、堺雅人主演のドラマ『半沢直樹』。第5話では、視聴率29%を記録。「倍返しだ!」が流行語となりつつあるなど、放送開始以来右肩上がりの記録を更新しています。



 『半沢直樹』をはじめ、『リーガル・ハイ』『鍵泥棒のメソッド』など、ドラマ、映画、舞台と幅広く活躍する堺さん。4年ぶりのエッセイ『文・堺雅人2 すこやかな日々』では、そんな堺さんの"頭の中"が明かされています。



「いつのころからだろう、演じる人物の"からだ"ばかりが気になるようになってきた」(堺雅人)



 新しい台本をもらったときに堺は、演じる人物の性格でもなく、歴史でもなく、感情・嗜好でもなく、まず"カラダ"を考えてしまうというのです。



 例えば、以前演じた主戦直後の大蔵官僚の役の場合、「顔色がわるく、栄養失調ぎみで、目つきがするどい」と想像したそうです。また、そのひと月後にやった剣の修行者の役では、「からだつきは、1.筋骨たくましいボディビルダータイプ2.ひきしまってムダのない、禅僧タイプ3.やわらかく、しなやか、ほどよい肉づき。たとえば、興福寺の阿修羅像タイプのうちどれだろう」といった具合です。



 最初にカラダのことを考えてしまう堺さんは、「大蔵官僚でやせているから、剣豪でふとる場合、ちょっと時間がかかりそうだなあ」と、役を演じるための長期計画までたてる始末。



 4年前に演じた料理人の役では、すこし太ってみようということで禁煙に挑戦。救命救急医を演じた際には、激務で十分に食事をとれていない雰囲気を出すため、ダイエットに取り組んだことも。また、ベッドシーンがあるとわかると、あわててスポーツクラブにも通ったともと言います。



 これから"東京編"がはじまるドラマ『半沢直樹』。大手都市銀行に勤めながら、銀行内外の人間や組織の圧力・逆境と戦う半沢直樹。その役柄のために準備した"カラダつき"にも注目したいところです。