【好きな家具に囲まれて】アプリやパソコンで好みの家具を探せる。プロがコーディネートした家具セットも用意 (提供)
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 イケアやニトリなど低価格帯の家具が人気を集める中、同社は各地の家具メーカーに赴いて協力を要請した。

「レンタル用家具は、各社の在庫商品を活用。その代わりに利用者のデータをフィードバックしています」(同)

 メーカーにとっては、市場のニーズを踏まえた商品開発が可能となる。最近では新作家具も提供してくれるようになったという。

「50~60代も少しずつ増えています。終活でコンパクトな住まいに引っ越すときに便利ですし、万が一のことが起きても解約すれば家具を引き取ってもらえるので身軽でいられます」(同)

 家具同様に高価な生活用品といえば家電。中でもロボット掃除機はその価格から購入をためらう人も多い。そこでルンバが6月に3機種を月額1200円から利用できるサブスクを開始した。低価格で導入できる上、3年間の無償保証つき(原則ユーザー過失を除く)。1年以内は解約できないが、それ以降は解約、返品可能。3年経てば自分のものになる。商品は新品だ。

「ルンバが日本に来てから17年になりますが、いまだに『高い』『本当にきれいになるのか』との心配の声が多い。そこで、とにかく使ってもらいたくて、日本独自にサブスクを始めました」(アイロボットジャパンの山田毅さん)

 自動で本体のゴミを吸い上げる最新機種も用意。定価は約13万円だが、月額3800円で利用できる。

【憧れのルンバ生活】記者も自宅で最新機種(i7+)を使ってみた。便利すぎる上に床がきれいに。これは手放せない! (撮影/吉川明子)
【憧れのルンバ生活】記者も自宅で最新機種(i7+)を使ってみた。便利すぎる上に床がきれいに。これは手放せない! (撮影/吉川明子)

「日本は機械任せに“罪悪感”を覚える人が多い。でも、年を取るほど掃除は大きな負担ですから、楽になるのは間違いなし。定額制だと年金からも出しやすいのではないでしょうか」(同)

 1年で返品されると正直なところ厳しいという同社。それでもサブスクを始めたのは、一度使えば手放せない商品であるという自信の表れからとのこと。

 利用者は便利なサービスや商品を低価格で利用でき、企業側はその良さをアピールできる。また、継続契約が安定収益にもつながる。双方にメリットがある限り、サブスクはさらに広がっていくのではないだろうか。(ライター・吉川明子)

価格は税別

週刊朝日  2019年9月27日号