お帽子は、訪問先に合わせた特注品。『美智子さまのお帽子』(小社刊)では、85個の帽子を掲載。専属デザイナーの石田欧子さんら4人が、誕生秘話を明かす。

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『美智子さまのお帽子』(朝日新聞出版)より
『美智子さまのお帽子』(朝日新聞出版)より

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 チューリップや薔薇、ヤマモモなど季節の花を帽子にデザインする美智子さま。バルト3国を訪問するときは国旗の色を帽子と服装にデザインして敬意を表す。山形県では当地の織物、米沢紬で帽子とスーツを仕立て、有珠山噴火で被災した北海道へのお見舞いでは、ラベンダーの花の帽子で住民を元気づける。

 昭和の時代、帽子には抽象的なモチーフが多かった。しかし、平成に入り数年を経ると、訪問する国や土地に縁のあるモチーフが増え、メッセージ性も強いものとなってくる。

 時代は平成から令和へと移る。いまだから明かせる秘話を、4人のデザイナーが明かす。

■チューリップ
植樹祭で和歌山県を訪問。千鳥格子柄の小さな帽子にあしらわれた、赤いチューリップが色を添えている(2011年5月)

■薔薇
英国になじみの深い、薔薇のデザインの帽子と共布で仕立てたスーツをお召しの皇后さま(1998年5月)

『美智子さまのお帽子』(朝日新聞出版)より
『美智子さまのお帽子』(朝日新聞出版)より
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