穂志もえか(ほしもえか)/ 1995年生まれ。千葉県出身。映画「少女邂逅」(2018年、枝優花監督)で初主演を務め、21年、今泉力哉監督の「街の上で」でヒロインを好演。他にも、「窓辺にて」(22年、今泉力哉監督)、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」に出演。真田広之が参加しているアメリカのテレビシリーズ「Shogun」に、主要キャストの一人として出演が決定。[撮影/小山幸佑 ヘアメイク/川又由紀(HAPP’S) スタイリスト/前田勇弥 衣装協力/グラムトーキョー(LAYMEE)]
穂志もえか(ほしもえか)/ 1995年生まれ。千葉県出身。映画「少女邂逅」(2018年、枝優花監督)で初主演を務め、21年、今泉力哉監督の「街の上で」でヒロインを好演。他にも、「窓辺にて」(22年、今泉力哉監督)、ドラマ「大豆田とわ子と三人の元夫」に出演。真田広之が参加しているアメリカのテレビシリーズ「Shogun」に、主要キャストの一人として出演が決定。[撮影/小山幸佑 ヘアメイク/川又由紀(HAPP’S) スタイリスト/前田勇弥 衣装協力/グラムトーキョー(LAYMEE)]

 真田広之さんが参加しているアメリカのテレビシリーズ「Shogun」で、主要キャストに選ばれた穂志もえかさん。27歳の彼女が強く影響を受けた人物、そしてこれから挑戦したいこととは。

【写真】穂志もえかさん出演の映画「生きててごめんなさい」の場面カットはこちら

 彼女が、初めて台本に目を通した瞬間に、「この役を演じるのは私だ!」と確信した映画がある。来年2月公開の「生きててごめんなさい」は、「新聞記者」で日本アカデミー賞最優秀作品賞を受賞し、今年大ヒットした映画「余命10年」を監督した藤井道人さんが企画・プロデュースを担当。藤井さんが設立した映像集団「BABEL LABEL」に所属する山口健人さんが監督を務めた。山口監督は、「主人公になりたくてもなれず、脇役に甘んじて生きているカップルの物語」とこの映画を端的に説明する。穂志さん演じる莉奈は、何をやってもうまくいかず、出版社で働く小説家志望の修一と出会ったことで同棲を始めるが、ある売れっ子コメンテーターの目に留まり、出版社で働き始める。

「莉奈は、近くにいたら本当に面倒な子だと思います。台本を初めて読んだとき、莉奈に対して共感する部分がすごくありました。全部一緒ってわけではないですが、私もオーディションで思っていることを素直に言っただけで、審査員の方にドン引きされたことも何度か……(笑)。精神的につらいときに、無理して取り繕うことができないんです。でも、この仕事をしていると、たまに私のそんな子どもっぽくてややこしいところを、面白がってくださる方がいたりして。それで救われたことが何度かあります。生活力や協調性が全然なくてダメダメなのに言うことだけは一人前みたいな、莉奈のような子でも、人との出会いによって変わるんですよね。『ヤバいやつ』という印象を持った相手でも、何かしらの隠れた能力や魅力があるかもしれない。傷つけ合うことで自分と向き合えることもあるのかな、って。そんなことを感じさせてくれる映画です」

 莉奈ほどではないが、穂志さんも、気持ちは常に揺れている。これから先、何をやっていきたいのか。どんな作品に出たいのか。どんな人と出会いたいのか。自分の夢や目標は、直近で出会った人からの影響を受けることが多い。

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