週刊朝日 2022年12月16日号より
週刊朝日 2022年12月16日号より

「代理婚活交流会を始めた05年当初、参加者は数十人でしたが、今では200人前後が集まりますし、年々増加しています。これまで、のべ4万人以上の方が参加しました」

 参加するにはまず、子の年齢や住所、学歴、職業、趣味、身長といったプロフィルに加え、喫煙、転勤、宗教へのこだわりの有無、相手に望む諸条件などを明記した申込書を同会へ郵送する。交流会開催日の3、4日前にプロフィルが載った参加者名簿が送られてくるため、吟味して交流会へ。この時点では結婚相手候補の容姿はわからない。

 いざ、当日。参加者は子の写真を貼った身上書を持って会場へ入る。目当ての候補者の親の元へ向かい、子の情報交換が始まり、互いに気に入れば連絡先を交換するという段取りだ。参加するにあたり必要なのは参加費だけで、入会金や年会費、成婚時の謝礼は必要ない。

「子の男女比は地域差もあり、開催できない場合もあります。参加される年齢層は50代から70代の方々。子を思うばかりに『このままだと結婚できない』『何かしてやりたい』『口も出したい』と考える親は多いです」(宮越さん)

 ともすれば「頼んでもいないのに」と子が反発する恐れもありそうだが、結婚に対しての親子の向き合い方は変わりつつあるようだ。

「子の了解を得てから臨む、という親が9割です。もちろん中には『余計なことをしてくれるな』と子の反対に遭って、泣く泣く参加をやめられる方もいますが、昨今は、親子間のコミュニケーションが密になってきているので、共通認識を持って臨む方が増えてきています」(同)

 なぜ親に頼むのか。その理由はさまざまだ。宮越さんによれば、「仕事が忙しく出会いに時間を割けないから」が多く、そもそも「出会いがないから」「異性との交際経験がないから」と続く。

 かつては配偶者との出会い方として主流だったお見合いに対しての意識は昨今、わずかにではあるが盛り返しつつある。先の出生動向基本調査の「配偶者と知り合ったきっかけ」という項目では、右肩下がりだった「お見合い」の割合が10年から増加に転じているのだ。

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