山梨大学の正門前(撮影・松岡瑛理)
山梨大学の正門前(撮影・松岡瑛理)

 オンライン授業の配信は7月で一旦終了したもの、ウクライナの学生から継続した支援を望む声は根強く、今後もできることを模索していく予定だという。

 今回の同大学の取組みについて、クセニアさんはこう話す。

「プロジェクトに関われたことをうれしく、誇りに思います。多くのウクライナの教師と生徒は、今回の取組を通じて学業の機会だけでなく、将来への希望も与えられたと話していました。希望は人間にとって困難を乗り越えるための最も重要な感情の一つです。山梨大学の学長や、関係者の皆様に深く感謝しています」

 9月には、ウクライナ軍が反撃に成功し、ハルキウ州内のほとんどの地域を奪還したと報道された。戦況は一時に比べ落ち着いているとの見方もあるが、クセニアさんはこう訴える。

「ハルキウとロシアは約30キロしか離れておらず、ロシア軍が攻撃しようと思えばいつでもできる距離です。昨日(9月11日)も火力発電所にミサイル攻撃があり、実家では電気や水が止まりました。大学も通常の講義が行えず、オンラインで授業を行っている。戦争が終わるまではこうした状況がずっと続くでしょう。こうした状況を、どうか日本の方々にも知っていただけたらと思っています」

 (本誌・松岡瑛理)

※週刊朝日オンライン限定記事