エアギターのパフォーマンスを披露する名倉七海さん(事務所提供)
エアギターのパフォーマンスを披露する名倉七海さん(事務所提供)
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 ロック全盛期にはヴォーカルをも食う勢いで楽曲に華を添えたギターソロやイントロ。だが最近、かつてのような熱いフレーズが聞こえてこなくなった気がしないだろうか。年のせい? いやいや、そこには確かに音楽シーンの変化があるようだ。

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「ディープ・パープルにヴァン・ヘイレン、さらに80年代のメタルブーム。それこそヴォーカリストよりもギタリストこそが花形だった時代を経験した身からすると、びっくりですよ。ここからがいいところなんだから!となりますよね(笑)」

 と、自らがギタリストでもあるカメラマンの石澤瑤祠さんは少し複雑そうに笑う。

 絶妙なテクニックで聴衆を魅了するギターソロや、1フレーズ聞いただけで曲名を認識できるような印象的なイントロ。これらはかつて、ロックやポップスに欠かせない要素だった。

 ところが昨今、そうした流れは「過去の遺物」となりつつあるようだ。演奏の中で熱いギターソロが流れる楽曲は激減。音楽鑑賞の手段もスマホ中心となる中、ギターソロやイントロ部分を飛ばして聴く若者も一定数存在するという。2019年にリリースされたYOASOBIの大ヒット曲「夜に駆ける」のように、イントロなしでいきなり歌から入る楽曲も目立つ。

「SNS発でデビューしたような若い世代のミュージシャンにギターの音源素材を渡すと、パソコン上で一瞬でキーやテンポを変えたり、なんならフレーズをカットしたり入れ替えたりもできる。僕らの思う『ギターソロ』『イントロ』という意識とは、全く違うのかもしれません」(石澤さん)

 ロックスターたちの丁々発止の掛け合いをコミカルに描く4コマ「8ビートギャグ」などの作品がある漫画家のシマあつこさんもこう語る。

「昭和のギター少年は、それこそディープ・パープルの『スモーク・オン・ザ・ウォーター』や『ハイウェイ・スター』のギターソロパートを真っ先にまねしたものですからね。マイケル・ジャクソンの『今夜はビート・イット』も、ポップスの世界にエドワード・ヴァン・ヘイレンのギターを持ち込んで、あのイントロやギターソロで革新的な名曲を誕生させた。イントロがあって、サビまでいって、その後のギターソロを挟んで後半のヴォーカルのボルテージもあがる。そういう曲全体の構造自体が、時代とともに変わってしまった」

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