ペットはもはや大事な家族。読者とペットの愛おしい日常のひとコマをお届けします。今回の主役は、犬のモカくんとリオンくんです。

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 わが家にはトイプードルのモカ(19歳)とボーダーコリーのリオン(14歳)の2匹の雄犬がいます。

 モカは生後3カ月でやって来てすぐに癒やしの天使となり、何度も家族のけんかを仲裁しました。

 家族の愛情をひとり占めしていたモカに、10年ほど前、大事件が起こりました。獣医学部の学生だった息子が、アパートで飼っていたリオンをわが家に連れてきたのです。

 気の毒に、モカは体の大きなリオンに主導権を握られてしまいました。

 その後、モカは白内障が進行し、3年ほど前に全盲になりました。最初はよく家の中でぶつかっていましたが、次第に慣れて、今ではそれほど不自由なく暮らしています。

 それ以降、2匹の散歩は別々になり、モカを近所の公園に、リオンを近くの海に連れていくのが私の日課でした。

 ところが、リオンは昨年1月ごろから後ろ脚が弱くなり、散歩を嫌がるようになりました。夏には自力で起き上がるのも困難になり、9月には寝たきり状態になってしまいました。

 そこで、息子の助言で専門の工房で車椅子を作ってもらいました。

 リハビリをかねた散歩を重ね、今ではウンチやオシッコのために1日4回の散歩が日課です。そんなときには、すれちがう人に「頑張れ」とよく声をかけられます。

 散歩のおかげで筋肉がついたのか、最近では時々家の中を自力でよちよち歩くまでになりました。

 ハンディを背負った2匹の世話は大変ですが、散歩のときのうれしそうなしぐさや寝顔を見れば、苦労も気になりません。少しでも健康寿命が延びてほしいです。(神奈川県平塚市/69歳/無職)

(残念ながらモカ君は投稿後に亡くなりました)

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週刊朝日  2022年8月19・26日合併号