『2倍速で読めて、忘れない 速読日本史』から。1行ごとに先頭が1字ずつ下がっている
『2倍速で読めて、忘れない 速読日本史』から。1行ごとに先頭が1字ずつ下がっている

 サブスクリプションでドラマに映画、アニメが好きなだけ楽しめる現代。時間はいくらあっても足りなくなる。若い世代を中心に“いかに効率よくコンテンツを消費するか”は切実な問題になっている。

 効率よくコンテンツを消費する手法のひとつとして、よく知られるのは「倍速視聴」だ。スマホなどの再生機能を使い、作品の再生スピードを1・5倍や2倍にしたり、作品を10秒だけスキップしたりして視聴する。

 昨年3月にクロス・マーケティング社が実施した調査によると、倍速視聴をした経験がある人は20~69歳で34・4%。だが、20代に限ると49・1%に上昇する。若者たちにとってもはや「時短」は、コンテンツを消費するうえで欠かせない要素の一部となっているようだ。

 一方、ドラマや映画などに比べて時間がかかってしまいがちな読書は、つい縁遠くなってしまう人も多いのではないか。だがそんな人たちにピッタリな本があるという。

 4月末にワニブックスから発売された『2倍速で読めて、忘れない 速読日本史』(金谷俊一郎著、宇都出雅巳監修)には、これまでの本の常識を覆す工夫が施されている。その仕組みについて、ワニブックス新書編集部の内田克弥さんはこう説明する。

「日本語は文節のつなぎあわせでできており、文節ごとに読めればよいのですがどうしても目線が泳いでしまったり、後戻りしてしまったりすることがあります。これが読書の効率を下げている原因で、本書では大日本印刷が開発した特殊レイアウト技術である『読書アシスト』を採用することでこれを克服しました。『読書アシスト』は通常の約2倍の速さで文章を読めることが科学的に立証されています」

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新たなスタンダードに?