とはいえ、安倍氏の死によって、アベノミクス路線は後退する可能性もあるという。前出の永濱氏は言う。 

「安倍氏が亡くなった直後の7月8日の金融市場では一時、円高・株安の動きがみられました。政策の面で、アベノミクスと逆行する圧力が強まれば、市場は長期的に円高・株安に向かう動きが強まる可能性があります」 

 デフレからの完全脱却や、持続的な成長に向けた課題はなお多い。アベノミクスの道半ばで凶弾に倒れた安倍氏の路線は引き継がれるのか。(本誌・池田正史)

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池田正史

池田正史

主に身のまわりのお金の問題について取材しています。普段暮らしていてつい見過ごしがちな問題を見つけられるように勉強中です。その地方特有の経済や産業にも関心があります。1975年、茨城県生まれ。慶応大学卒。信託銀行退職後、環境や途上国支援の業界紙、週刊エコノミスト編集部、月刊ニュースがわかる編集室、週刊朝日編集部などを経て現職。

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