※写真はイメージです (GettyImages)
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 コミュニケーションを上手にとれば、パワーハラスメント防止だけでなく、対人関係も良くなる。職場でパワーハラスメント対策が義務となった今、中高年が簡単にコミュニケーション力を磨ける方法を専門家に聞いた。

【表】中高年のコミュニケーションの極意

 コミュニケーションをうまくする方法に、相手をほめるのもいい。異性をうまくほめるのに、合コン「さしすせそ」というのがある。(1)さすがですね、(2)知りませんでした、(3)すごいですね、(4)センスがいいですね、(5)そうなのですね、という頭文字が「さしすせそ」になっている。

 社会心理学者で元東洋大学教授の安藤清志さんは「相手をほめるのは想像以上に効果がある」と話す。問題はほめ方という。

 たとえば、本人のいないところで、「あの人はすごいですよね」と持ち上げると、人づてに本人へと伝わり、お世辞にならない。人には「どこかいいところがあり、本当にいいところを探すといい」と安藤さんはアドバイスする。

 普段から、相手のいいところを探すようにしておく。それをきっかけに相手に対して、「どうしてこんなことができるのですか」と切り出すと相手が自然に話しだしてくれるという。「相手をさりげなく引っ張り出す」のがいいと安藤さんはみている。一方、嫌われるのは自分の自慢話とも。

 コミュニケーションの極意として、普段から相手に関心を持ち、いいところを探しておくことが結局、自分のためになる。

 対人接客の仕事をする人は、笑い方を学ぶことが少なくない。笑顔がお客さんを幸せな気持ちにさせるからだ。安藤さんは「練習をすれば自分のスタイルになるので、練習をすればいい」と話す。具体的には、鏡の前で自然な笑顔になるか確認してみるなど、笑い方を学ぶことも勧める。

 コロナ禍となり、誰かと話す機会が少なくなった。それでも、話す相手はいるはずだ。タクシーに乗れば、運転手に話しかけることができる。朝の散歩の通り道で、ある家の庭先の花がきれいに咲いていたら、その家の人にきれいですねと話しかけてもいい。

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