なお 1995年生まれ。福岡県出身。地元福岡での芸能活動を経て上京。「ポーラスター東京アカデミー」で1年演技を学ぶ。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(18年)の親友役にオーディションで選ばれ、翌19年に「終わりのない」で初舞台、「ハルカの陶」で映画初主演。MIRRORLIAR FILMS Season3「可愛かった犬、あんこ」が現在公開中。公開待機作に「TANG タング」「マイ・ブロークン・マリコ」。(撮影/張 溢文 ヘアメイク/竹下あゆみ スタイリスト/岡本純子(Afelia))
なお 1995年生まれ。福岡県出身。地元福岡での芸能活動を経て上京。「ポーラスター東京アカデミー」で1年演技を学ぶ。NHK連続テレビ小説「半分、青い。」(18年)の親友役にオーディションで選ばれ、翌19年に「終わりのない」で初舞台、「ハルカの陶」で映画初主演。MIRRORLIAR FILMS Season3「可愛かった犬、あんこ」が現在公開中。公開待機作に「TANG タング」「マイ・ブロークン・マリコ」。(撮影/張 溢文 ヘアメイク/竹下あゆみ スタイリスト/岡本純子(Afelia))

 大ヒットドラマ「あなたの番です」のストーカー役で注目を集め、映画やCMでも活躍中の奈緒さん。4作目の出演となる舞台はサルトルの翻訳劇。「自由とは何か?」を自らに問う。

【写真】蒼井優だと勘違いする人続出!?「あな番」出演当時の奈緒さん

>>前編「奈緒「いちばん影響を受けるのは役柄」 芝居の世界にどっぷりはまる」より続く

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 ドラマ、映画、CMなど、映像の仕事に引っ張りだこの彼女が、2019年から、年に1本のペースで取り組んでいるのが舞台だ。実存主義を牽引した20世紀最大の哲学者ジャン=ポール・サルトルが1946年に発表した戯曲「恭(うやうや)しき娼婦」。栗山民也さんが演出するこの舞台で彼女は、アメリカ南部で、冤罪を被せられた黒人青年をかくまう娼婦リズィーを演じる。

「演じることは、自分の未熟さと対面することでもあります。自分がこの役を演じられるのか、栗山さんの演出の意図を汲み取れるのか。お話をいただいたときは不安だらけでしたが、台本を読んでみたら、いつの時代にも通じるような、人間として向き合わなければならない大切なことが描かれていて、リズィーとして生きてみたい気持ちが芽生えました」

 奈緒さんが栗山演出で最初に観た舞台が、蒼井優さんと生瀬勝久さんの共演が話題になった「アンチゴーヌ」(18年)。「古代ギリシャをテーマにした悲劇なんて自分にわかるんだろうか?」と恐る恐る足を運んでみると、新国立劇場小劇場の十字の形に切り取られた舞台に、まず衝撃を受けた。

「シンプルで洗練された舞台の上を人の感情がぶつかって、空気がグイグイと動いていく。『何て美しいんだろう』と、五感を通して、言葉にならない感動を覚えたし、身体の中をビリビリと走るものがありました。まだ挑戦したことがなかった舞台に憧れを抱きましたね」

 栗山演出の舞台には、自分の正義を持って、世の不条理と戦っていく女性がたびたび登場する。蒼井優さんが演じたアンチゴーヌも、奈緒さんが演じるリズィーも、世の中のルールではなく、自分の信念に則って行動するところは共通している。

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行って謝ったほうが、健やかに過ごせる