北村匠海 [撮影/木村哲夫、スタイリング/鴇田晋哉、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO、衣装協力/ジャケット ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー)、シャツ アンデコレイテッド、パンツ コノロジカ(HEMT PR)、その他スタイリスト私物]
北村匠海 [撮影/木村哲夫、スタイリング/鴇田晋哉、アートディレクション/福島源之助+FROG KING STUDIO、衣装協力/ジャケット ジョン スメドレー(リーミルズ エージェンシー)、シャツ アンデコレイテッド、パンツ コノロジカ(HEMT PR)、その他スタイリスト私物]

「人間誰しも、自分を育ててくれた人がいる」。そんな言葉とともに、北村匠海は自分の家族について語り始めた──。4月8日に公開された映画「とんび」で、“日本一不器用な父”と情に厚い町の人々の愛を一身に受け成長する青年、市川旭(あきら)を演じた北村自身の“親子の物語”に迫った。

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──今作で描かれている親子像とは?

 アキラは優しい子なんですけど、父とはお互いすごく不器用に接する。まあ愛ゆえなんですけど。男くさいというか、武骨な感じをもってる親子の話です。

──アキラのまっすぐな性格は、ご自身の自然体でクリーンなキャラクターと近かったのでは?

 近いかどうかわかりませんが、周りの人に対する彼の透き通った思いみたいなところは、とてもクリーンに、というか素直に演じました。家族や自分を育ててくれた人の前だと、アキラは顔が変わる。思春期の彼は、父親よりも町のみんなに対する顔のほうが、実は無邪気だったりするんですけど。

──“家族の物語”である本作ですが、ご自身の家族はどんな家族?

 北村家はいい家族だと思います。弟とちがって、僕は反抗期もあんまりなかったですね。父も母も人としてだめなことはちゃんとだめって言うけど、だいたいのことは自由にやらせてくれてた感じはします。

 僕の趣味嗜好はたぶん父にすごい近い。カメラが好きだったり、いいものを長く使うっていうファッションに関するルーツみたいなものだったり。

 父が若かったころ、1990年代は裏原宿がカルチャーの中心だったようです。僕は80年代とか70年代の服が好きです。

──おしゃれなお父様なのでしょうか。

 物件を探すとき、親から「グッドデザイン賞をとったところとかに住んでみたら」って言われました(笑)。

 当時はコンクリ打ちっぱなしの6畳くらいの部屋で、ウッドバルコニーだけが広くて……。海外の洗濯機がついてて、洗濯から乾燥まで全部終わるのに9時間ぐらいかかるんです(笑)。とにかく長い。楽しかったし好きでしたけどね。

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