ケラー
ケラー

 その前日、4連敗となる日の広島戦でのこと。1点リードの九回に登板したのはケラーで、この日もいきなりヒットを打たれてしまう。次の打者から三振を奪ったものの、四球、ヒットと続いて満塁のピンチ。ここで矢野監督はピッチャーを湯浅に代え、湯浅はいきなり2点タイムリーを打たれた。その後ケラーは登録抹消され、2軍落ち。

「何がカッコ悪いか言うたら、中途半端なんですよ。開幕戦で失敗したケラーをまた使い、そのケラーがピンチを作った。ここはケラーに任せて、アカンかったら、仕方ない、2軍落ちや、でいいでしょ。矢野監督はケラーを代えた理由を聞かれ、『三振を取れる真っすぐがない』と答えてた。そんなことわかってなかった? それとも、わかってて仕方なく起用したの? どっちにしろ中途半端なんです」(ベテラン記者)

糸井
糸井

 この連敗中、矢野監督お得意のガッツポーズが一度も出ていないという。できないのか、しないのか、とにかく去年までとは違うらしい。

「矢野監督は、この3年チームを率いて何を残したか……『俺たちの野球』とか、軽い言葉しか浮かびません。たたく気にもなりませんよ(笑)。ファンもわれわれマスコミも、関心があるのは次。次の監督は誰になるのか、です。この感じだと少なくとも6月の株主総会がポイントでしょう。日本一うるさいタイガースファンの株主が、あそこで黙っている訳がない」(前出古参記者)           

(渡辺勘郎)

週刊朝日  2022年4月15日号