ジャニーさんを超えようという意識にはなりません。誰かと自分を比べた時点でそれは負け。その人はその人の人生で努力を積み上げてきて今があるから、超えようと思ったところで追いつけるわけがない。そうじゃなくて、いかに自分の中にうまく取り入れるかです。

剛:自分はやっぱり、音楽をやるっていうことが好きみたいなんです。しんどいけど好きって言えることに出会えたこと、その道をジャニーさんが与えてくれたことは幸せだなと思っています。

──後輩のためにこんなジャニーズにしていけたら、という理想像は?

光一:後輩は、彼ら自身のスタイルを確立していて、彼らの時代を生きている。僕らが習ってきたこととは違うこともあるから、ジャニーズの表現とはこうだって教えたいなんて、大きなお世話じゃないかな。

 もちろん、舞台ではテクニックを教えなきゃいけない場合もあるけど、舞台上でどう表現するか、何を表現するかは感じ取ってもらうしかない、ってことだと思います。

剛:「ジャニーズなのに」っていう決めつけにいっぱい傷ついてきました。関西から進出するとか初の二人組とか、セルフプロデュースとか、新しいことには批判もくるじゃないですか。出る杭は打たれる的な。人の理想や都合ばかり叶えていたら、生きていられないと思ったから、「人生一度きり、自分に素直に生きよう」と切り替えました。ジャニーズを愛する自分らしい方法を生きるだけです。

 なんか「グループあっての」みたいな感覚には縛られず、後輩くんたちには、「グループと自分をどちらも大切にするのは自然な感情だよ」と伝えたいです。素直な自分で出会える全てを人生で味わってほしい。グループでの魅力と一人での魅力がはっきりと分かれて存在していい。誰もが二刀流となって、未来に向け高め合っていけたら楽しいし、今の時代に合ってると思います。

(構成/直木詩帆、大谷百合絵[本誌])

(週刊朝日2022年3月18日号より)
(週刊朝日2022年3月18日号より)

週刊朝日  2022年3月18日号より抜粋