映画「軍艦少年」は、10日からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開 (c)2021『軍艦少年』製作委員会
映画「軍艦少年」は、10日からヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国公開 (c)2021『軍艦少年』製作委員会

 加藤さんが子供だった時代よりも、ずっと、日本で暮らす外国人も増えた。言語を学ぶこと以上に、その国の文化を学ぶことが大切だと、自身もハリウッドに留学経験を持つ加藤さんは力説する。

「映画こそ、その国の文化を知る最適なツールです。いろんな国を理解するのには、映画を見るのが一番」と。

 とはいえ、何より大事なのは、俳優の仕事を長く続けることだ。健康のためには、ひたすら歩く。

「散歩もすれば、電車やバスにも乗りますが、そうすると、人間の日常がいやでも目に入ってくる。その、何気ない人間観察が、結局、自分が醸し出す役の雰囲気に生きてきます。本当の面白さっていうのは、さりげない毎日の中に隠れているものなんです」

(菊地陽子 構成/長沢明)

加藤雅也(かとう・まさや)/1963年生まれ。奈良県出身。ファッションモデルとして活躍後、88年主演映画「マリリンに逢いたい」で俳優デビュー。95年にLAに拠点を移して英語での演技、メソッド演技の勉強をする。帰国後、映画、テレビ、舞台などで活躍。海外の監督の映画に積極的に参加。国際交流基金アジアセンター事業諮問委員、なら国際映画祭特別顧問、奈良市観光特別大使なども務める。

週刊朝日  2021年12月17日号より抜粋