矢野監督(代表撮影)
矢野監督(代表撮影)

 今季、開幕から快進撃を続けていた阪神について、本誌は7月2日号で「ちょっと早いけどおめでとう阪神! “五輪の呪縛”解けVへ一直線」と題した記事を掲載した。ああ、それなのに……「なんでやねん!」な結末に至った事情を分析した。

【写真】CS第1ステージ2戦目で敗退してうなだれる阪神の選手ら

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 プロ野球のポストシーズンが始まったと思ったら、ペナントレース2位の阪神が、クライマックスシリーズ(CS)第1ステージであっという間に敗退した。それも、本拠地の甲子園で、今季11ゲーム差を付けて勝ち越していた相性のいいはずの巨人相手に2連敗を喫してしまった。

 シーズン前半戦は最大7ゲーム差を付けて首位を独走していたのに、夏ごろから失速してヤクルトに抜かれ、結局は2位。揚げ句にCSで、この結末。勝ち切れないところが阪神“らしい”が、それにしても酷い尻つぼみ。シーズン後半に連敗を重ね、借金を作ってペナントレースを終えた巨人の“引き立て役”になってしまった感は否めない。

 なんでや?

 ところが大阪のベテラン阪神担当記者たちに聞くと、

「想定内です」

「実は、ポンポンとやられるんやないか、と思ってました。シーズン終盤からドヨ~ンとした空気が漂ってましたからね」

 というではないか。

 第1戦のポイントは五回。阪神ベンチは無死一塁でエンドランを仕掛けたが、菅野智之─小林誠司の巨人バッテリーは読み切っていたかのようにウエストボールし、一塁走者を二塁で封殺。ベテランの虎番たちに言わせれば「阪神のやることが、わかりやすすぎ、ってことでしょ。相手は研究してきてるのに、サインがシーズン中と同じだったようですから」「つまり、監督のせいで負けた。皆、そう言ってますよ」。

 第2戦では阪神の選手がエラーを重ね、それがことごとく巨人の得点につながって、負けるべくして負けた。実は阪神、4年連続12球団最多失策という不名誉な記録を継続中で守備が課題なのだが、それが改善されていないことが大事な試合で露呈した形になった。

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