丸山茂樹
丸山茂樹
渋野日向子。全英女子オープンでは復調の兆しを見せた (c)朝日新聞社
渋野日向子。全英女子オープンでは復調の兆しを見せた (c)朝日新聞社

 ゴルファーの丸山茂樹さんが、注目選手の魅力と不運に見舞われた選手について語る。

【写真】全英女子オープンでは復調の兆しを見せた渋野日向子選手

*  *  *

 国内男子ツアーの「長嶋茂雄 INVITATIONAL セガサミーカップゴルフトーナメント」(8月19~22日、北海道・ザ・ノースカントリーGC)に、テレビ解説のお仕事で行ってきました!

 最終日に2打差の2位で出た比嘉一貴(26)が逆転でツアー通算2勝目を挙げました。もう安定感抜群で、とてもすばらしいゴルフだったと思いますよ。身長は158センチとほんとに小柄なんですけど、体幹が強くてバランスのいいスイングをしてると昔から思ってました。

 ただちょっと淡泊な部分だったりとか、メンタルの部分だったりで最終日に崩れていくケースが多かったんですけど、今回のゴルフは最後まで力強かったですね。パッティングの調子が非常によかったってのが、全体的な流れをよくしたんじゃないかと思います。

 僕は知らなかったんですけど、比嘉ちゃん去年の1月に結婚してたんですね。家族ができたっていう責任感でまたゴルフがいい方向に向かってるっていうのは、非常にすばらしいと思いますね。

 この試合、上井(かみい)邦裕(38)にとって、ツアーの最終日最終組はキャリアで9度目だったそうです。今回は地区オープンの中部オープンで優勝してて、そのときのゴルフをネットで見てて、すごくいいプレーをしてました。だから今年は彼にとって新たな変化がある年なのかなと思って見てたんです。3日目の試合後の練習も見に行ったんですけど、非常にいい感じで打ってたんですよ。それで「明日こそ上井いけるかな」と思った矢先のアクシデント。初優勝には届かなかった。

 最終日のスタート前にドライバーが割れちゃった……。あれはちょっとかわいそうでした。気持ちよくやらせてあげたかった。僕はああいう経験はないです。いまのドライバーは反発係数のいいのが多いから、耐久性に関してはもろくなってるかもしれないですね。上井のゴルフ自体は悪くないですから、あと一歩自分に何が足りないのか突き詰めて、頑張ってほしいと思います。

著者プロフィールを見る
丸山茂樹

丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

丸山茂樹の記事一覧はこちら
次のページ