「鮮度のいいものを冷凍すること。余ったものでは手遅れです。おいしさや栄養は時間とともにどんどん落ちていきます」

『おいしすぎる冷凍レシピ』(宝島社)などの著書がある冷凍生活アドバイザーの西川剛史さんは強調する。

 そのためにも、店から買って帰宅後、「食べるもの」と「冷凍保存するもの」に仕分けしていく。冷凍は空気を抜いてラップなどで包むが、「肉や魚は調味料やたれなどで下味をつけてコーティングするのもいい」(西川さん)。下味をつけることで、表面の乾燥を防ぐこともできるという。「魚は肉に比べて繊維がもろい分、ひと工夫が必要です」(同)。魚は扱いが難しいため、自分で冷凍するよりも冷凍された市販のものか、生なら食べる分だけを購入するのが賢明だ。

 肉などは、買ってきたトレーのまま冷凍するのは厳禁。空気が入っているためで、必ず食材だけを密閉して保存しよう。

 煮物やカレー、シチューなどを冷凍する際は、粗熱をとってから冷凍庫で保存する。このとき、底の深い鍋に入れたまま粗熱をとりがちだが、「フライパンなど平たいものに移してかきまぜると熱が抜けやすい」(同)。食べるときは、冷凍庫から取り出したらすぐに加熱調理したい。

 野菜類は生のまま冷凍するよりも、硬めにゆでるなど7~8割程度の加熱調理後に冷凍すると長持ちする。もちろん、生のまま食べるトマトやキュウリは、そのまま冷凍すればいいが、解凍するとぐちゃぐちゃになりやすい。そこで、トマトなら凍ったままおろし器でシャーベットにしたり、ソースに使ったりする楽しみ方もおすすめだ。

「冷凍すると食感が悪くなりますが、変化を生かした調理法で食べてほしい」(同)

 冷凍食品だから味が落ちると決めつける前に、正しい解凍を知って、おいしくいただこう。(本誌・浅井秀樹)

週刊朝日  2021年6月25日号