電子レンジの加熱では、食品を置くポジションも実は大切だという。回転しないフラット式と、回りながら加熱するターンテーブル式がある。フラット式は中央部に置くと加熱効率がいい。回転式はターンテーブルの中心から遠い位置、つまり円の外側に置くのが効率的だ。レンジ内の壁から反射したマイクロ波も受けやすい。

 市販の冷凍食品の保存期間は1年くらいだが、一般的には2、3カ月程度が目安。あくまで「温度変化がない前提」(同)になっているためで、メーカーから出荷された後はその前提が崩れやすい。

 実際、店で買った冷凍食品を持ち帰る際も、保冷容器に入れて短時間で冷凍庫に収納しないと商品が劣化する。家庭の冷凍庫でも開閉で温度が上昇するため、長期保存する場合はポリ袋やアルミホイルなど何かに包んで冷凍庫に入れておいたほうがいいという。

 ところで、フライパンで炒めたり、煮物を鍋にかけたりする際に、冷凍の魚介類や肉、野菜の解凍はどうすればいいのか。

 電子レンジを使う際は必ず「半解凍」で止めた後、素早く調理するのがいい。例えば、こま切れの肉が凍結によって肉のかたまりになっている場合は、半解凍でそれぞれの肉がほぐれる程度まで解凍する。

 冷凍マグロなど冷凍魚介を解凍して刺し身にする場合は、密閉した袋に入った食材を氷水に約30分つけて解凍していく。大きな塊だと解凍に時間がかかるため、30分以内で解凍できるような大きさにしておくのがいい。生臭くなったり色が悪くなったりするのを防ぐポイントだ。

 肉や魚介類、野菜など生の食品には酵素が存在する。冷凍中の酵素は活動が抑制されているものの、常温で活発に働き、この生臭さや色の悪化を招く。また、肉でも魚介類でも、高い温度で解かすと「ドリップ」と呼ばれる汁が出てきて、おいしさや栄養も流れ出してしまうから注意が必要だ。

 買ってきた肉や魚、野菜、自分でつくったカレーなどの料理を冷凍保存する「ホームフリージング」にもコツがある。

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