リフトアップでは、トゲのようなフックの付いた医療用の溶ける糸をこめかみ辺りから皮下組織に入れて、皮膚の内部で引っかけてたるんだ皮膚を持ち上げるスレッドリフトが有名だ。話だけ聞くと、ちょっとドキッとするが、これも切開を伴う外科的な手術は必要なく、即効性のある治療方法だ。

「ドクタースパ・クリニック」(東京・代官山)院長の鈴木芳郎さんはこう話す。

「スレッドリフトは1年持つのですが、次回に来たときに一瞬どなたかわからないこともあるんです。派手な装いでいらして、姿勢も良くなっています。気持ちが若返るのですね」

 鈴木さんは、高齢になりたるみが特にひどい人には、強力にたるみを改善するフェイスリフトの手術も勧めている。これは外科的な手術で金額も高めだが、鈴木さんは「一瞬にして(輪郭周りなどは)10年前に戻すことができますよ」と話す。

 加えて肌質も改善すれば全体としてかなりの若返りが期待できるという。いわゆる時計の針を逆回しして加齢にあらがう究極の美容施術法だ。

■症状に合わせたレーザー治療を

 美容医療でシミ取りの定番といえばレーザー治療だが、これも年々、進化を遂げている。

 日本レーザー医学会の理事を務める、東海大学医学部外科学系形成外科学教授の河野太郎さんによると、レーザーの照射時間は年々短くなっていき、合併症も減ってきている。1980年代はロングパルスレーザーという長時間照射が主だったが、今はピコレーザーという1兆分の1秒というピコ単位で照射できるという。

「合併症では、照射後の色素沈着(シミが濃くなる)や、発赤(赤みが強くなる)でしたが、今はほとんどなくなりました。色素沈着は、昔は30%程度だったのが、今は10%ほどです」

 シミと一口に言っても、状態によって使うマシンから治療方針も異なる。シミは赤いのか茶色なのか、盛り上がりがあるのかないのか、色は濃いのか薄いのか、深いのか浅いのか……。

 まずは正しい治療戦略を立ててくれる、信頼できる医師と出会うのが第一歩だ。河野さんはこう勧める。

「かかりつけの皮膚科などに相談して紹介を受けるのが良いと思います。ネット検索ならば『皮膚科』『形成』『レーザー』『専門医』などのワード検索も良いでしょう」

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