吉永小百合がずっと夢見ていた医師役に 出演122本目の映画「いのちの停車場」 (1/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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吉永小百合がずっと夢見ていた医師役に 出演122本目の映画「いのちの停車場」

由井りょう子週刊朝日
映画「いのちの停車場」は21日から丸の内TOEIほか全国公開 (c)2021「いのちの停車場」製作委員会

映画「いのちの停車場」は21日から丸の内TOEIほか全国公開 (c)2021「いのちの停車場」製作委員会

吉永小百合さん(提供)

吉永小百合さん(提供)

「子どもの頃、体が弱くてしょっちゅう病院のお世話になっていたので、病院で働く方たちが憧れでした。回らない舌で“大きくなったらカンゴちゃまになるの”というのが夢だったんです」

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 吉永小百合さんは1959年「朝を呼ぶ口笛」で映画デビュー、夢は大きく逸れたが、俳優でいれば、医療人を演じる機会があるはず、いつか演じたいと願ってきた。63年、「いつでも夢を」で、医師である父親の下で働く看護師の娘を演じた。「当時のことでしたから、白衣は白衣でも割烹着」を着て、昼は診療所で働き、夕方になると制服に着替えて通学する健気な夜間高校生役だった。

「10年ほど前、成島出監督、堤真一さん主演の『孤高のメス』を見て私も一度ドクター役を演じたいとお話ししたのですが、実現しませんでした」

 そんな時を経て、出演122本目となる最新作「いのちの停車場」で初めて医師を演じた。大学病院の救命救急センターのトップに立つ医師だったが、ある事件の責任をとって退職、市井の小さな診療所で在宅医療に携わる医師の役。

「ですから、この映画は本当に念願の役であり、作品なんです」

「いつでも夢を」が描いたのは、高度経済成長下で、貧しくもまさに夢を抱いて生きる青春群像だった。今回の作品では、高度経済成長を支えてきたかつての青年たちが直面する老い、病、死が描かれる。俳優・吉永小百合が歩いてきた時代と軌を一にするといってもいいだろうか。

「医師といえば手術、手術着に身を包んで、メスを握る、そんなイメージを描いていたのですが、実際に救命の先生の指導を受けて、救命医療は例えてみれば、スポーツだと思いました」

 瞬発力、瞬時の判断力を武器に、救急現場は治療しながら考え、考えながら手当てをする。一転して在宅医療の現場では、末期のがんや高齢で死を目前にした患者や家族、地域社会すべて含めて静かに向き合うことになる。

「在宅医療ひとすじの先生に、脈の取り方、看取り、臨終の伝え方など手取り足取り細かく指導していただきながら、どうやって命を終わらせる人に寄り添うか、在宅、終末医療とは、ということを考えさせられました」


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