さらに心配な点もある。ある大会関係者が話す。

「問題は五輪だけではありません。8月24日から始まるパラリンピックでは、コロナに感染した時のリスクが高い障害者が来ます。五輪よりもはるかに感染対策が難しい」

 英医学誌BMJは4月14日、公式サイトで「今夏の五輪・パラリンピックを再考せよ」と題した論文を公開した。中でも大会の感染対策について、障害者に対するコロナのリスクを過小評価している、と批判している。

 残された時間は少ないが、不安を払しょくする感染対策は示されていない。

 前出の大会関係者は嘆く。

「あとは夏に向けて劇的にウイルスが減少することを期待するしかない」

 神風に頼るのは勘弁願いたい。

(本誌・西岡千史)

※週刊朝日4月30日号に掲載