現場付近を調べる神奈川県警の捜査員(C)朝日新聞社
現場付近を調べる神奈川県警の捜査員(C)朝日新聞社

 早朝の閑静な住宅街で突如、叫び声が上がった。27日午前4時ごろ、神奈川県鎌倉市笛田の路上で「大きな叫び声が聞こえて男性が倒れている」と近くに住む住民から消防に119番通報があった。

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 男性はその後病院に搬送され約1時間半後に死亡した。

 警察によると死亡したのは横浜市瀬谷区に住む職業不詳の高峰常さん(18)。背中などを鋭利な刃物で執拗に刺されたことによる失血死とみられている。

「高峰さんが友人と歩いていた時に通りかかった大音量を鳴らしながら走っていた乗用車に『うるせえ』と叫んだ。その乗用車は一度その場を立ち去るが再び高峰さんの前に現れ、中から3人組が降りてきてそのうちの1人が刃物を取り出し何度も高峰さんを刺したとみられる」(捜査関係者)

 捜査関係者によると、事件のあった現場は暴走族の走行などはほとんどない場所だという。

「高峰さんが友人と早朝4時という時間帯に現場にいたことを重要視している。高峰さんと3人組がそもそも顔見知りで、呼び出しを受けた可能性も視野に入れている」

 ちなみに走行中の車から大音量を流すと、安全運転義務違反となる場合がある。緊急車両のサイレンや周囲の音が聞こえにくくなるためだ。神奈川県では2011年に全国に先駆けて道交法施行細則を改正。違反項目として「(大音量で、又はイヤホン若しくはヘッドホンを使用して音楽等を聴く等安全な運転に必要な音又は声が聞こえない状態で自動車、原動機付自転車又は自転車を運転しないこと)と定められている。

 また事件との関連は不明だが神奈川県内では、暴走族グループの活動が活発化。ことし1月には、暴走族グループの16歳の少年7人が中学3年の15歳男子生徒を集団暴行し死亡させている。

 一見、閑静な住宅街に見える神奈川県鎌倉市だが、かつては暴走族全盛期に起こった事件の象徴的な舞台でも

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かつて暴走族の大乱闘も