林:このごろ若いアイドルの人がお芝居をやったりすると、けっこううまくこなすけど、そこからさらに突き抜けるって、すごく大変なことですよね。
満島:いっぱしの俳優になるために10年は俳優だけを頑張ろう、ほかの肩書はいらないと決めて、20歳から30歳まで俳優だけに猛進していたように思います。30歳になってからは少し自信が持てたので、今は楽になりました。
林:意外だったのは、「トットてれび」(黒柳徹子さんの自伝ドラマ)で誰が黒柳さんの役をやるんだろうと思ったら、なんと満島さんがなさって。
満島:アハハハ、ほんとですよね。
林:すごくおもしろかったです。「困りますわ。いけませんわ」とか言いながらどんどんズレていくんだけど、それに気づいてない東京の育ちのいいお嬢さまのおかしさがよく出ていて。
満島:徹子さんに「私を演じるならあの子しかいないわ」って言ってもらえて、最初は「えっ、私?」と思ったんですけど、3度ぐらい一緒にごはんを食べる機会があって、すごくシンパシーを感じました。二人ともたくさん食べながら、ケラケラ笑って。
林:どんな話をしたんですか。
満島:徹子さんに「あなた、お芝居に影響があるタイプだから、あなたがテレビで泣いてると、私も泣いちゃうの。ということは、あなたが笑ってると、みんな笑うんじゃないかしら。日本に喜劇の女優さんってそうたくさんいないと思うの。あなた、喜劇が似合うと思う」と言ってもらって、ハッとしました。「だよなあ。私もみんなに笑ってもらえる人でいたいなあ」と思って。
林:日本にはコメディエンヌ(喜劇女優)ってそんなにいないですよね。
満島:長期戦で、コメディエンヌを目指してます(笑)。笑われる人を。人を笑う人より、笑われる人でいたいと思うんです。
林:美人だからそれができないというものでもないんですよね。大地真央さんなんて、あんな美人なのに……。
満島:(うん、うんとうなずいて)大地さん、素敵ですよね。