前出のスポーツ紙遊軍記者は首をかしげる。

「まだ3年だし、育成が成功したかを判断するのは早すぎます。それよりも、球団が清宮をどう育てたいかビジョンが見えません。昨年8月には九回に代走で起用されましたが、一昔前なら考えられない起用法で意図が全く見えない。開幕からシーズン終盤までずっと1軍でしたが、途中から結果を求めて当てにいくような打撃になり、清宮の良さが完全に消えていました。昨年の状態だったらファームに落として一から打撃フォームを再構築したほうが良かったと思います」

 まだ結果を求めるのは早いのは承知の上で、秋田・金足農高のエースとして3年夏にチームを準優勝に導いた吉田輝星もプロ入り後は、その輝きが消えている。

 日本ハムは16年に日本一を飾ったのを最後に、17年以降は5位、5位、3位、5位と低迷が続いている。栗山英樹監督は今季10年目の長期政権だが、オフは例年同様に大型補強を敢行しているわけではない。エース・有原航平がポスティングシステムでレンジャーズに移籍したことにより、苦しい戦いを強いられる可能性が高い。現有戦力でいかに戦うか。清宮、吉田輝や3年目の成長株・野村佑希……。日本ハムの未来を背負う若武者たちの覚醒が待たれる。(梅宮昌宗)

※週刊朝日オンライン限定記事