「花粉症でも食べもののにおいや味がわかりにくくなったり、微熱が続いたりすることがあります。そういう意味では新型コロナと症状が似ている部分があるので、花粉症と思っていたらコロナだったということもあるかもしれません」(同)

 さて、コロナ禍での花粉症対策だが、これには注意が必要だ。

 まず、室内の換気。換気は室内にいるウイルスを拡散させることから、厚生労働省も推奨している重要なコロナ対策だ。だが、外の空気を入れれば花粉も入る。花粉症対策ではむしろ逆効果だ。

「特に問題となるのは、飲食店でしょう。積極的に換気していますし、食事の場ではどうしてもマスクを外さなければなりません。くしゃみの連発、不用意に目や鼻を触る、といった問題を引き起こしかねません」(同)

 こうした外出した際に大久保さんが勧めるのが“ダブルマスク”。普通のマスクのほかに、鼻の穴に詰めるタイプのマスクで対応するという方法だ。このマスクは、鼻フィルターやノーズマスクなどの名前で売られている。通販サイトでは複数個入って1千~2千円程度だ。ほかに鼻の穴に液体をスプレーして、花粉などの侵入を防ぐ商品

 もう一つ、意外と見過ごされているのが、ティッシュペーパー。はなをかむことの多い花粉症の時期はポケットティッシュを使ったほうがよい。

「店や職場などに置かれているボックスティッシュは、常に一番上が外気にさらされていて、花粉やウイルスが付着している可能性があります。その点、自分が持ち歩いているものであれば、安心して使えます」(同)

 こうした対策とあわせて薬物治療も採り入れたい。花粉症は致死的な病気ではないため薬を使わない人もいるが、「花粉症の症状を抑える一番の方法が薬」と大久保さん。

 現在、花粉症治療に使われている飲み薬は、かゆみなどの原因となるヒスタミンやロイコトリエンなどの化学伝達物質を抑える抗アレルギー薬が主流。個人差はあるものの、眠くなる、口が渇くといった副作用が起こりにくいとされる。

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