田原総一朗「国民甘く見たしっぺ返し 今さら焦るあきれた菅内閣」 (2/2) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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田原総一朗「国民甘く見たしっぺ返し 今さら焦るあきれた菅内閣」

連載「ギロン堂」

田原総一朗週刊朝日#ギロン堂#田原総一朗
田原総一朗氏(C)朝日新聞社

田原総一朗氏(C)朝日新聞社

イラスト/ウノ・カマキリ

イラスト/ウノ・カマキリ

「緊急事態宣言などすると、基本的人権を損ない、プライバシーを侵害する。さらに日本は世界の先進国の中で最も財政事情が悪く、新聞やテレビが、このままでは10年近くで財政が破綻する、と報じていた。緊急事態宣言をすれば財政破綻が早まるだけだ、と多くの閣僚、野党が反対していた」

 と安倍氏は答えた。

 ところが、日本よりも民主的で、財政事情が悪い国々が緊急事態を発している。調べると、現状は新型コロナと人類の戦い、つまり有事であることがわかった。日本は敗戦後、戦争をしない国、いわば有事がない国とされてきたわけだ。

 また、他国は緊急事態時に罰則規定があるのに、日本にはない。なぜかと問うと、「日本は憲法で緊急事態を認めていないのだ」と安倍氏は答え、そして、「日本の国民は、政府の言うことに素直に従ってくれるので、罰則規定がなくても大丈夫なのだ」と説明した。

 そういえば、米国や欧州では、緊急事態宣言が発せられれば、生活の基盤が損なわれると、大掛かりなデモが発生していた。だが、日本ではデモなど生じていない。安倍氏が言った通り、国民は政府の言うことに従っていて、自粛警察という言葉さえ広まっている。

 だから、菅内閣もコロナ禍でも世論調査を行っていないということになるのか。つまり、国民を甘く見ていたわけで、そのしっぺ返しを受けている、ということか。しかし、事態は深刻である。

週刊朝日  2021年1月15日号

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年生まれ。ジャーナリスト。東京12チャンネルを経て77年にフリーに。司会を務める「朝まで生テレビ!」は放送30年を超えた。『トランプ大統領で「戦後」は終わる』(角川新書)など著書多数 


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田原総一朗

田原総一朗(たはら・そういちろう)/1934年、滋賀県生まれ。60年、早稲田大学卒業後、岩波映画製作所に入社。64年、東京12チャンネル(現テレビ東京)に開局とともに入社。77年にフリーに。テレビ朝日系『朝まで生テレビ!』『サンデープロジェクト』でテレビジャーナリズムの新しい地平を拓く。98年、戦後の放送ジャーナリスト1人を選ぶ城戸又一賞を受賞。早稲田大学特命教授を歴任する(2017年3月まで)。 現在、「大隈塾」塾頭を務める。『朝まで生テレビ!』(テレビ朝日系)、『激論!クロスファイア』(BS朝日)の司会をはじめ、テレビ・ラジオの出演多数

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