少しずつ客足が戻る飲食店も(写真はイメージです/GettyImages)
少しずつ客足が戻る飲食店も(写真はイメージです/GettyImages)
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 10月から東京がGoToトラベルの対象となり、感染症対策を守っている飲食店を対象にしたGoToイートも一部の地域から始まりつつある。とはいえ、客も店も新型コロナ感染への不安は拭えない。そんななか、店などでの新たな感染対策として期待されているのが、自然界に存在する「オゾン」だ。これがコロナにも効くらしい。

 一般的にオゾンというと、何を思い浮かべるだろうか。オゾン層、オゾンホール……。

「オゾンには脱臭作用や水質改善作用などがあり、これまでも医療機関や福祉施設、食品工場、スーパーマーケット、飲食店、美容室など、さまざまな現場で活用されています」

 こう話すのは、日本オゾン協会の田村哲也事務局長だ。オゾンのウイルスや細菌に対する殺菌作用については、インフルエンザウイルスに対するものなど、以前から知られていたものの、新型コロナに対する効果はこれまで確かめられてはいなかったという。

 これを奈良県立医科大学や賛同する企業らによる研究グループが証明した。発表によると、濃度6ppmのオゾンガスを55分間、新型コロナにさらしたところ、千分の1~1万分の1まで新型コロナの感染性を失わせること(不活化)ができた。

 画期的な結果だったが、最大の弱点は濃度。オゾンは、濃度が高いと鼻やのど、気管などの粘膜が傷つき、痛みや呼吸困難などの健康問題が起こる。

 この問題をクリアしたのが、その後、藤田医科大学(愛知県)が行った実証実験だ。人体に健康被害が及ばないとされる低い濃度のオゾンガスで、新型コロナの感染性を抑えられた。

 実験では、オゾンの濃度0.1ppm、湿度80%の環境下では、ウイルスは4時間後に73%、10時間後に95.4%活性が低下した。濃度を半分の0.05ppmまで下げても、8時間で61%、20時間で94.3%低下した。

 0.1ppmという濃度は、日本産業衛生学会の作業環境基準で定められている許容濃度であり、0.05ppmは、米国食品医薬品局(FDA)の基準に相当する。

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