「ブラック保育園」トイレットペーパーも園長ら現場が自腹 低すぎる保育士給与を区議会で論戦 (2/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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「ブラック保育園」トイレットペーパーも園長ら現場が自腹 低すぎる保育士給与を区議会で論戦

小林美希週刊朝日
写真はイメージ(Getty Images)

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 田中区議は低すぎる人件費を是正するため、保育従事者の給与比率を含む財務情報を区のホームページで公開し、誰もが点検できるようにすることが必要だとして、議会で区の担当者にこう詰め寄った。

「財務情報はなんのためにあるのか。おかしなところを指摘して、保育の質を高めていくためのものではないですか(中略)区の責任は重大です」

 これに対して区は「(検査や指導は)ルールにのっとって厳正に実施している」などと答えるのみで、財務情報の公開についてはゼロ回答だった。

 問題はそれだけではない。コストカットは人件費にはとどまらず、保育の質を保つのに必要な他の費目にも及んでいる。Xグループはトイレットペーパーをはじめとした日用品や、絵本、玩具、クレヨンなどの「保育材料費」を満足に現場に渡さず、園長らが自腹を切って購入する状態に陥っていた。

 今回、2人の区議が区内の保育園の支出状況を調べたところ、園児の健康診断や園内の消毒費用などを指す「保健衛生費」がゼロで計上された運営会社が数社あり、そのうちの1社はXグループだった。2人が理由を問い合わせても、Xグループは『労組と係争中だから答えられない』と、回答を拒否したという。

 また、本誌が報じた通り、Xグループの経営者は園長に対し、傘下の品川区内の別の保育園では2000万円もの利益を出しているのに、コロナ下で収支を考えて保育スタッフのシフトを減らしたと豪語していた。これについて田中区議が、

「本来、適正に運営すれば保育園にはほとんど利益が出ないはず。2000万円も利益が出ているということを区としてどう受け止めているのか」

 と質問したが、区の担当者は話をそらして答えなかった。

 田中区議はこうした問題について、区民や関係者からXグループの不適正な運営についての情報提供が区にあったこと、利益重視の体質があることも併せて指摘しながら、

「この事業者は保健衛生費をゼロで計上し、保育従事者の給与比率も低い。区の監督責任として財務情報内容や給与比率を見て、疑わしい時に検査してこそ、違反が見つかるのではないか」

 と問いただした。


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