「飲食店関係者から聞いた範囲では、評価点の下がった飲食店に対し『食べログの有料会員(店舗)になれば順位を元に戻せる』と話を持ちかけて手数料を取る、正規ではない(カカクコムとは契約していない)営業代理店が一定数存在するようです。詳細は明らかになっていませんが、今回も同様の可能性がないとは言い切れません」

 食べログの店評価は5点満点方式で、「3.50」未満に該当する店が約97%。東龍氏は「ユーザーの有料会員などは、点数順に店の並び替えができる。特に飲食店が集中する都心では0.2点は、店側にとっては大きな打撃」と指摘する。

 評価点数はどのように算出されるのか。カカクコムによると、投稿が多い評価者の影響度を考慮する方式が取られているという。それ以上の詳細は不正悪用を防ぐ狙いから非公開としている。「点数算出のロジックが明らかになっていないため、疑惑が広がってしまう部分もあるのでは」(東龍氏)

 原告、被告とも取材に対し、「係争中のため現時点での詳細なコメントは差し控えたい」とコメントしている。

 プラットフォームの責任を明らかにする意味でも、裁判の行方が注目される。(本誌・松岡瑛理)

週刊朝日  2020年10月2日号