丸山茂樹
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陸也、おめでとう!(代表撮影)
陸也、おめでとう!(代表撮影)

 丸山茂樹氏は、国内男子ツアーで堀川未来夢選手とのプレーオフを制した星野陸也選手の勝因と今後の課題を語る。

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 男子ツアーの国内初戦となった「フジサンケイクラシック」(9月3~6日、山梨・富士桜CC)は、星野陸也(24)が堀川未来夢(27)とのプレーオフを3ホール目で制して、ツアー通算3勝目を挙げました。

 テレビのお仕事で現地にいましたけど、二人とも日大の後輩だし、素晴らしい優勝争いを見られてうれしかったですね。

 最終日に16位から出た未来夢がこの日のベストスコアの64で回って、単独首位でスタートした陸也に追いつきました。7アンダーは立派でしたよ。あの流れでいったら未来夢に勝たせてあげたいという気持ちもありましたけど、勝負の世界は厳しいですね。

 465ヤードパー4の18番でプレーオフを繰り返すと、やっぱり飛距離のある陸也にアドバンテージがあります。そういう意味では、未来夢はどこかで勝負をつけとかなきゃいけなかった。でも、よくあそこまで追い込めたと自分を評価して、未来夢は次へ向かってほしいと思います。

 最終日の陸也には、優勝争いのプレッシャーもあったんでしょう。トップが伸び悩んで追いつかれるってのは、よくあるパターンですから。そんな中、最後ああやって優勝カップを持ったのは素晴らしかったと思いますね。簡単じゃないですから、優勝争いは。

 陸也にはまず、距離の魅力がありますよね。ドライバーを思いきり振れる。それに加えて、去年ぐらいから非常にパッティングに安定感が出た。そこが数字に表れてる通りに実力も上がってきたんじゃないかと。それがこの優勝にも、相当結びついてると思うんですね。でも本人は「体を鍛えてショットがよくなった」って言ってるんですけど、僕はちょっと違うと思うんです。

 そうやって自分の状態をしっかり見極められるかどうかも、今後のゴルフ人生に関わってきますよ。少し厳しいコメントを言うと、陸也はそこにもうちょっと気づくべきかなと。

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丸山茂樹

丸山茂樹(まるやま・しげき)/1969年9月12日、千葉県市川市生まれ。日本ツアー通算10賞。2000年から米ツアーに本格参戦し、3勝。02年に伊澤利光プロとのコンビでEMCゴルフワールドカップを制した。リオ五輪に続き東京五輪でもゴルフ日本代表監督を務めた。セガサミーホールディングス所属。

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