江里子:(美穂さんに)確かにちょっと行き遅れ感はあるのよね。
林:もともと結婚にはあまり興味なかったんですか。
江里子:いえ、私はチャンスがあればと思ってるんですけど、美穂さんは……。
美穂:私はぼんやりしてるのか、あまり考えてなくて、のんきに暮らせたらいいな、みたいに思ってます。
林:それがいまどきの女の人ですよね。結婚だ何だかんだ言われなくても、派遣社員で一日楽しく終えて、自由な生活ができたら結婚なんてべつにいいじゃん、みたいな。
江里子:美穂さん、そういう感じよね。私は恋愛願望も結婚願望もあったんですけど、努力というか、「活」はしてないし、出会いもないし、美穂さんと二人で好き勝手なことをしゃべってるほうが楽しいし、ラクはラクですよね。お互いの好みだの趣味だのもわかってるし。
林:ぜいたくはしないんですか。「これ買っちゃった」みたいな。
美穂:豆苗を四つ一気買いしちゃいました。
林:いやン、ちょっと……(笑)。
江里子:「やっちゃったな」って感じ。いっぺんに食べなきゃいけなくなっちゃって、それがちょっとね。
林:ちなみに、きょうの夕ごはんは何なんですか。
江里子:(美穂さんに)どうする、きょう。
美穂:お姉さん、ゴボウがあるって言ってなかった?
江里子:ゴボウとおナスとかで炒り煮か何かにして……。
美穂:あと、おかひじきをもらったから、食べないと悪くなっちゃう。
林:ほんとに近所のおばさんの会話みたい(笑)。
(構成/本誌・松岡かすみ 編集協力/一木俊雄)
阿佐ケ谷姉妹/(写真左)木村美穂(妹)。1973年、神奈川県生まれ。(写真右)渡辺江里子。1972年、栃木県生まれ。劇団東京乾電池研究所で知り合い、以降親交を深める。2007年、お笑いライブ出演をきっかけに正式にコンビ結成。16年、フジテレビの人気番組「とんねるずのみなさんのおかげでした」の「第22回細かすぎて伝わらないモノマネ選手権」で優勝。18年、「女芸人No.1決定戦 THE W」優勝。「ヒルナンデス!」(日本テレビ)水曜日レギュラー出演中。著書に『阿佐ケ谷姉妹ののほほんふたり暮らし』(幻冬舎文庫)。
※週刊朝日 2020年8月14日-21日合併号より抜粋