日本の山は「安全資産」? 外国人が山林を買い漁る狙い (1/3) 〈週刊朝日〉|AERA dot. (アエラドット)

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日本の山は「安全資産」? 外国人が山林を買い漁る狙い

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浅井秀樹週刊朝日
手つかずの山林=三重県志摩市 (c)朝日新聞社

手つかずの山林=三重県志摩市 (c)朝日新聞社

全国有数のリゾート地の北海道倶知安町 (c)朝日新聞社

全国有数のリゾート地の北海道倶知安町 (c)朝日新聞社

 日本の山林を中国や香港などの外国人が買い漁(あさ)っているという。取得した後は放置したままのケースが少なくない。狙いは何なのか。

【写真】全国有数のリゾート地の北海道倶知安町

 北海道の国有林をめぐる一般競争入札で今年2月、象徴的な売買があった。山林は、倶知安(くっちゃん)町花園に広がる2ヘクタール。最低売却価格1600万円の28倍以上となる4億5千万円超で落札された。これを取得したのが、香港の資本だった。

 倶知安町や西隣のニセコ町は、札幌市の南西約100キロに位置する。市中心部からは車で2時間ほどだ。2019年10月には主要20カ国・地域(G20)の観光大臣会合が開かれ、海外から注目された。

 名峰や湖に囲まれたスイスのリゾート地、サンモリッツになぞらえ、倶知安町は「東洋のサンモリッツ」とも呼ばれている。ニセコは言わずと知れた、世界有数の“パウダースノー”のスキーリゾート地。夏場はゴルフやトレッキングなどを楽しむことができ、温泉もある。

「この19年間で、地価は20倍くらい上がっているところがある。スキー場の近くの山林であれば、50倍くらいのところも出ている」

 不動産業を営む男性は、東京からニセコへ移住した00年からこれまでの地価を振り返った。そして、次のように説明する。

「外国人は現地を見ないで買っている人が多い。時期が来れば何かするのかもしれないけれど、人里離れた土地を買っても、そのままになるのかもしれません」。スキー場などとは関係のない山林は、放置されやすいというのだ。

 リゾートや富裕層ビジネスに詳しい金融コンサルタントの高橋克英マリブジャパン代表は「外国人の山林取得はニセコなど北海道に多い。基本的にはゴルフ場や別荘地、コンドミニアムなど、リゾート開発として買っているのではないか」と話す。

 外国人は山林を取得しても“寝かせておく”ことが目立つという。開発を進めるには、まずは上下水道や電気といったインフラを整備しなければならない。都市部のように整っていないところが多いことから、開発は長期間に及ぶ。

 例えばニセコでは、何年も前に更地を買っていた韓国資本が、最近になって温泉の掘削に乗り出した事例もあったという。

 ニセコはそもそも、1990年代に訪れた豪州人の口コミによって海外で有名になった。G20観光大臣会合のあった「ニセコHANAZONOリゾート」(倶知安町)は、2004年に豪州資本がスキー場を買収したのが始まりだ。やがてゴルフコースも買い入れ、07年には香港資本が運営会社を買収。今年は、米大手ホテルチェーン「ハイアット ホテルズ アンド リゾーツ」が展開するホテルが開業した。


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